日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。
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3/31(月)雨 管理会議 長副会議
昨夜は22:00就眠。2:30起床、人間ドックx2名分。病院・医師会の書類処理.5:30病院着。回診+出張準備。8:00管理会議。9:00-13:00外来.13:30人間ドック説明x1。USB Zip購入して能率上昇。16;00-18:00長副会議。明日の出張前の準備で対応すべきもの多数.20;30帰宅、21:30就寝。
自伝 高校・浪人時代(1961〜64)(7)
下がる一方の成績 自信を持って書いた作文が悪い見本として壁に!!
今はかなり平均化されたようであるが、当時の盛岡一高は県内ではダントツの進学校であり、岩手県全域のみならず秋田県や青森県の県境地域からも結構優秀なのが集まって来た。私などは中学までそれほど努力はしなくても比較的成績は良い方であったが、盛岡一高では凄いのが沢山居て、ハッキリ言って十分には通用したとは言えない。自分として最大限、本当に最大限、努力してやっと何とかみんなについて行けた。ちょっと手を抜いていると成績は直ぐに直滑降した。国公立の医学部に進学したいと大きな希望だけは持っていたので、友人が寝ている時間に起きてカバーしなければそれなりについて行けなかった。このころの自分に言い聞かせた標語は「頭の不足は時間でカバー」。だから、私の盛岡一高の想い出なんて長距離の自転車通学、人一倍机に向かった記憶と、下宿の経験、家にいる時には側に常に一匹のネコと鳩が居たこと、それ以外にたいしたものは残っていない。
3/30(日)東京曇り→秋田雨 日本医師会代議員会 ANAにすべり込みセーフ
4:30起床、人間ドック処理x1。医師会文章。 新聞切り抜きなど種々処理,7;00朝食.数10名の高校生の運動部員と同席、どうなるかと思ったが騒ぐこともなく整然と食事をとってマナーの良さを感じた。正直ホッとした。8:45ホテル出発。会長は体調不良で欠席という。副会長,局長と共にタクシーにて9:30-16:20日本医師会代議員会。16:00頃には中座しなければならないが緊急動議が出て機を失した.空港には10分前に到着。係員に頼み込んで特別ルートで搭乗口に入れてもらった。一緒に走ってくれたANAの係員には感謝!!!。快適に飛行し定刻に到着。19:30に帰宅。残務種々処理。20:00就眠。
日医代議員会 坪井会長の進退をめぐって激論
本日の日医定例代議員会は会長の進退に話題が及ぶと予想されていたためか、報道関係者がいつもよりも目立った。その中に昨年まで朝日新聞秋田支社で何度か取材を受けたことのある社会部の女性記者もいて2.3声を交わした。
代議員会では「サラリーマン本人の医療費3割負担導入」や「構造改革特区における医療への株式会社参入」を阻止できなかった坪井執行部の退陣を求める意見と、執行部を支持する意見が真っ向から対立し緊張した雰囲気で、大幅に進行が遅れた。
近畿、関東甲信越ブロックなどからは「会長の政治的手法は通用しない。潔く辞すべき」など引責辞任を求める声が出た。一方、九州ブロックなどからは「会長の辞任をここで求めるのは論外。戦略は甘かったが、会長が任期半ばで辞めれば日医は弱体化する。冷静に考えるべき」と坪井会長支持の声があがった。
坪井会長は「ご叱責は重く受け止める。上記懸案事項には最終的な結論が出たわけではない。今後も責任を果たしていきたい。もうしばらく情勢を見極めたうえで私に決断させてほしい」と述べ理解を求めた。
個人質問の最中、緊急動議の処理を巡って10分間の休憩が宣言され会場に緊張が走ったが、政府に対する決議文の上程でありホッと胸をなで下ろした。お陰でもう少しで飛行機に乗り遅れるところであった。
空港からの帰り、カーラジオのNHK19:00ニュースで日医代議員会の様子が比較的詳細に取り上げられた。
坪井会長の力量、努力は私は認めたい。が、小泉首相という対話の成り立たない首相に対して成果を挙げられなかったのであり、他の誰かがやれば通用したとは思えない。坪井会長の強い指導力だからここまでやってこれたのだと思う。
本日の代議員会の様子では次期の坪井体制はあり得ない状況と思われた。これから次期会長選挙に向けて種々の活動が始まるであろう。しかし次期会長に誰が選ばれようと医師会にとっては厳しい状況が今後も続くと予想される。
3/29(土)曇天 ABS収録 法人管理職会議 市医師会総会 最終便で東京
1:00起床、体調はそれほどでないが浮球感あり、カゼか??それにしても昨夜の悪寒は何だった?何とか仕事は可能程度にはなっている。人間ドックx2総括、医師会関連作文他。5:30病院着。回診、出張前の準備。8:10人間ドック診察5名。9:00人間ドック説明3名。9:40ABS収録「サラリーマン3割負担問題」について。31日のニュースで用いられるらしい。10:00-13:00外来、結構混雑した。
14:00-16:30法人管理職会議。16:30-18:00市医師会総会に出席、中座して帰宅、秋田空港に急ぐ。高速道路途中改装なっていて空港線の入り口解らず。結局協和まで行って戻る。19:35最終便東京へ。20:40着5Fレストランで長男長女と会食。23:00浅草ViewH着、23:30就寝。
JALの鶴マークが消えるのは寂しい
20:40と遅く着いたので都内に出ないでそのまま羽田空港で食事をとった。羽田空港と言えども21:00過ぎまで開いているレストランは少ない。丁度JALのターミナルの上にあたり窓下には10数機のJAL機を見ることが出来た。夜の空港の景観はイルミネーションが豊でとても良い。
そういえば、前回出張時にJALの搭乗時に置き去りにされた件はいくらクレームの電話をかけても混雑にて(本当か??)繋がらないのでまだ決着が付いていない。まあ、この件はまた後にしよう。
JALとJASが合併し新会社になったがそれを機会に両者の機のデザインが変更になった。太陽をイメージした力強いマークでとても新鮮である。JASのデザインはもともと良いとは思っていなかったが、JALの鶴のマークは長い間親しんで来たし、特に外国の空港では親しみが沸く。
私は世界最高の航空機のデザインだと思っていたので実に寂しい。確かに二社の合併だから片方のデザインをそのまま使用するのは困難であろうが、思いきった決断したものだと思う。
3/26(水)快晴 医師会理事会
2:00起床。人間ドック等.自宅の補助Macの自動入力機構不調で調整に手間取る。医師会医報報告関連若干進める。5:40病院、9:00-13:15外来混雑。13:30人間ドック説明3名。16:30-18:30医師会理事会.会長・副会長共に体調不良と。そう若くもないのだから休めばいいのにと思った次第。18:45病院に。転職されるT医師よりMac2台他いただく事になっていたが部屋に届いていた。全て私のよりも高性能。どのように有効に用いようか。新しい、嬉しい悩みである。20:00帰宅。次男札幌から帰秋していた。彼と医師国家試験の演習施行、80%以上は行きそうで若干気を良くした。21:30S。
人間ドックを受けましょう(3)健康度を色に例えれば灰色
ドック受診者の大部分は現役の労働者であり、その多く方々はこの社会の流れの中で種々のストレスと対峙している。若くて30歳代後半、多くは40歳後半から60歳前半の、各業界で言えば最も脂の乗っているベテランの方々である。僅か数分であるが、患者さんとは別の、より対等の立場での対話が交わされるこの時間は、私にとってもいろんな業界の現状や考え方に触れる事が出来る有用な時間である。
受診者にほぼ共通して言えることは、多くは自分の健康に関心はあるものの多忙を理由に軽視する傾向、軽視せざるを得ない現実があると言うこと。その結果健康に関するとらえ方が短絡的になり、異常か正常かの2大別でとらえているということである。
中年にもなるとその方の健康状態は真っ新の白であるという評価は先ずあり得ないし、黒であることもない。特に、現役のばりばり働いている世代の健康度はほぼ全員灰色である。しかも、個人によって白に近い灰色か、黒に近い灰色かである。大部分の疾患が生活習慣に関連して発症する現在、この認識が重要であり、自分の努力次第で白に近づける事が出来る猶予もあると言うことである。
この考え方を含めて私が作成する結果表には次のように記載している。
●蛇足ながら、一言
結果は郵送でも可能ですが、出来ることであれば説明を直接受けられますようお勧めいたします.健康度の判定、検査結果の判定の際、白黒がはっきりしていることもありますが、灰色に例えるべき状態も少なくありません.黒に近い灰色なのか、白に近い灰色なのかを限られた文章で表現することは不可能ですし、時には誤解のもとにもなり得ます.
結果説明の際には各項目の詳しい評価、再検査が必要な際には具体的方法などを含め、生活上で注意すべき点などについても、対話を交えつつ納得いただけるよう説明いたします.
このレポートをお読みになって、解りがたいこと、不安なこと等がありましたら、福田まで連絡いただければ、ご説明いたします。
E-mailでも結構です(E-mail:mfukuda@rnac.ne.jp,HP:www.mfukuda.com)
3/26(火)快晴 温暖 総回診 医師会打ち合わせ 医局カンファ(子宮筋腫)
2:00起床,人間ドック総括x2、 紹介状返事等。5:45病院、9:00-13:00外来.13:30-14:10人間ドック説明3名。14:30総回診合流。16:00中座し医師会に。警備員の資格に関して難題あり。18:00医局カンファレンス(子宮筋腫の動脈塞栓療法)。20:30帰宅 Vn 、21;30就寝.
人間ドックを受けましょう(3)生活習慣病について
ドック受診者で最も頻度が高くて問題なのが生活習慣病関連の異常、特に体重過多に起因する諸問題である。
私が担当している一泊二日の人間ドックの受診者は、職場からの割り当てや補助がでることで任意または半強制的に受診して来る方と個人の資格でうけられる方に分けられる。前者は80%ほど、後者は20%ほどである。
後者の方々はもともと健康に関心が高い方達で経費も自費で受けられる。これが6-7万円もするのだから決して安くはない。結果説明も文書郵送と言われる方は少なく説明もしっかりと受けられる。この方々にも生活習慣関連の異常が必ずしも少なくはないが、比較的生活指導に従ってくれるのでよりやりがいはある。毎年受けておられる方はそれなりに改善の方向を辿り、悪化させてくる方は少ないようだ。
前者の方々は経費も会社等が全額または大部分を負担されている。もともと健康に関心が無いというわけでは無かろうが、仕事上のストレスとか多忙さなどからあまり日常健康に留意はしていない方達であり、「ドックの順番が回ってきたし、日常あまり注意していないから、まあこの際受けておくか・・・・・」程度の動機で、悪性疾患があるか否かに関する関心はあるが、生活習慣病に関しては関心が乏しい。従ってこの方々にとっては結果が白か黒かの区別だけが問題であり、最も重要な灰色レベルの異常には目もくれない。結果も文書郵送希望が多い。
オプションで肺ガンドック、脳ドック等を追加された方々はさすがに結果説明を希望するが、この方々には生活習慣関連の異常が実に多いので指導は結構大変である。しかし、もともと病識が不足しているために指導に従ってくれる方は極めて少なく、ドック担当医としては大きなストレスのもとでもある。
初期の頃はもっと気を入れて指導したように思っているが、改善意欲の乏しいリピーターの方々向きに説明書の前文を素っ気ないものに変えて自己責任を強調するようにしている。
以下が私のドック結果説明書の前文である。
「ドックの価値はガンなどの発見にもありますが、知らず知らずのうちに健康を蝕む生活習慣関連病の早期発見・治療にあります.対策は医療以前の喫煙・飲酒・食事・運動等の生活習慣の改善です.所見のあった検査項目についてコメントはいたしますが、対応についてはドックでは原則的に方向性の提示・提言に留めます.日常の健康管理は自分の責任で行うべきものです.ドックの結果を無駄になさいません様に御願いいたします.」
3/24(月)快晴 管理会議 長副会議 拡大管理会議
2:00起床。人間ドック処理終了しただけのんびり出来た。県医師会代議員会記録最終校正など。5:50病院着。回診等。8:00管理会議。9:00-13:00外来。13:30人間ドック説明。16:30-17:45長副会議。眼科診療体制など。18:00-19:15拡大管理会議。療養病棟入棟基準、病棟再編成、総合内科など意見交換。20:00帰宅。21:00就寝。
人間ドックを受けましょう(2)悪性疾患について
私にとっての人間ドックはかなりストレスのもとになっているが受診者数は年間約500人,延べ2000人となっている。このうちで,毎年7-8人が悪性病変が検出され治療を受ける。これが見つかったときは「役に立った」と、日常の苦労も愚痴も忘れてスッと気持が楽になる。
ここ数年で全部で20名ほどだろうか。そのうちで進行癌は1名だけ。この方は初めての受診者で全くの無症状であったが腹部の超音波で多発性の転移性肝癌の状態、胃の内視鏡で小さなガン病巣が見つかったものである。直ちに入院、各種の治療を受けたというが数ヶ月でお亡くなりになった。これほどの病状の方であればむしろドックで見つからない方がより良かったかもしれない。他の方はほぼ1-3年ごとに受けておられるリピーターの方々である。このうち脳腫瘍1名、肺ガン1名、食道ガン3名、残りは胃ガン、大腸癌である。これらの方は全て術後の経過は良好である。乳腺、婦人科系のガン、男性の前立腺癌はまだ見つかっていない。
ガン発見のパターンとして外来診療を通じて発見される「体調不調型」、たまたま受けた検診とか、別な疾患で受診中に見つかる「偶然発見型」、定期検診やドック等で見つかる「定期検診発見型」があるが、「体調不調型」での発見はどうしても進行癌が多い。「偶然発見型」、「定期検診発見型」は早期の治療可能、完治可能なタイプが多い。集団検診も人間ドックも悪性疾患の発見のためには必ずしも効率はいい方法とは言えないが、個々の方々にとっての意義は大きい。特に多忙な方々は若干の症状があっても受診の機会が無く我慢していることが多く、この点は誕生日とかに自発的に決めて受診してくる方、会社とかから半強制的に受けさせられる方々は頻度の高い悪性疾患の早期発見・治療という点に関してだけは良い状況にあると言い得る。
ただ、せっかく受けていても集団検診も人間ドックもレントゲンや内視鏡、超音波像などの画像診断の場合は判定の精度が問題になる。その点、当院のドックシステムは画像診断はダブルチェック方式で複数の医師あるいは集団検討会を経由してくるので精度は高いと思う。それでも一定程度の見落としは避けられないが、その弱点を補う方法としては定期受診が一番である。決して検診結果やドックの結果が異常なかったっからと言って安心しきってはならない。自分の命を守るのは自分であることを念頭に、投資も必要である。
3/24(日)晴れ 車購入 来客 他
1:30当直室にて起床。人間ドック、新聞チェック、紹介状3部など種々.8:30病院に、回診、紹介状処理.10:30帰宅。車のディーラーに。これからは小型車の時代になるだろうからHONDA Fits 4WDにした。もともと利潤の少ない車種だから無理な値引きは不要と断り切れの良い値段でまとめる。その代わりに廃車手続き等もお願いした。14:00-1700来客3名。Vn、Vcなど。客人の子供はセンチヒのハクに似てる。人間ドック3名分処理、これで今週分予定の処理何とか追いついた。20:30就眠。猫受難の日であった
自伝 高校・浪人時代(1961〜64)(7)
植物色素アントシアンの研究 グループで「読売化学賞」を受賞
化学部は数グループに分かれ、それぞれが一つずつ研究テーマを持っていたが、私が属したのは植物色素アントシアンの研究グループであった。他のグループが何をやっていたのか、今は全く思い出さない。
アントシアニンは赤、青、紫等の色を呈する色素名で、ブルーベリー、ブドウ、リンゴ、イチゴ、チェリー、モモ、ナス、紫蘇、紫陽花、ムラサキイモ等に含まれる。この色素は植物成分との結合状態、生育温度、水分量、日照条件、品種などによって特有の色を呈す。果 実中のアントシアン系の色素は、健康にいいと最近注目されているポリフェノールの一種で、特にブルーベリーの色素は視力回復、眼精疲労改善の効果 があるといわれ、パイロット達にも注目されている。
実験材料としては八百屋から大量の紫蘇の葉を仕入れ、細かく刻み乳鉢に入れ乳棒で材料を押しつぶし、ろ過し、紫色の抽出液を作り更にアセトンとかで不純物を取り除く。この色素はpHの変化で微妙に色が変化する特徴がある事から、溶液の酸性や塩基性とどう関係しているかをまとめ、紫陽花の色の変化や紅葉のメカニズムを知ろうというものであった。
詳細は忘れたが、2年の時に読売新聞社が募集した研究会に応募し「読売化学賞」を受賞し、読売新聞地方版にメンバーの写真入りで紹介された。
当然、ハンカチとかへの染色も試みたが、本来水溶性であることと、酸性では比較的安定なものの光やアルカリ環境では不安定で直ぐに脱色する。明礬液とかで染色堅牢度を上げる研究もしたがこの点では不十分な結果を出せなかった。
化学部での体験は集団行動を強制されることや、対人間的な部分で嫌な思いも沢山あったために2年の夏休み後に退部しその後一切関わらなかった。実験や遊びの面ではまあ良い思い出にもなっている。
3/22(土)晴れ 病棟拘束 リハビリ当直
0:00起床、人間ドックx3 etc. 5:30病院救急外来より電話ありICUに喘息患者入院と。本来は私は8;30からの病棟拘束だが,わざわざこの時間に呼吸器科医師を起こすのも気の毒。やりかけの業務整理し6:20病院へ.入院患者は相当に重症,呼吸器系の専門技量必要。当直医が大部分の処置をやってくれた。10:30-13:30 外来。13:50患者家族の来訪あり。回診他拘束関連業務、ICU患者は呼吸器科にお願いした。17:00リハビリ病院に当直へ。読めなかった新聞一週間分チェック。厚さ10数cmにもなる。このまま4紙購読続けるのも無駄かも。ドック処理2名分。20:30就眠。
人間ドックを受けましょう
私は病院の一泊宿泊人間ドック担当である。週に10-15人と他の医療機関のドック数よりは少数なのだろうが,実際には診察,総括,資料作成,結果説明と一人あたり1時間は必要で結構大変な業務である。火木土の3日間は8:00に診察面談を組み、外来診療終了後にほぼ連日結果説明がある。
人間ドックは数年前に担当となったが,他の業務を減らされないままそっくり上乗せされてしまった。病院業務と医師会業務でもともと週休二日制もとれる状態でなかったから日曜祭日も取り上げられた様なもの。で、日曜日直は何とか免除してもらった。昨年6月以降は更に副院長業務も加わったので,週間の時間配分は慎重に行わなければ業務に穴があく。外来診療とかの院内業務がやや少ない金,土日のウイークエンド,祝祭日は溜まった業務に充てる。日祭日はテニスや楽器練習などを若干楽しむ程度の余裕はあるものの,そのほかの時間の殆どは病院と医師会業務の処理に充てる。リハビリ当直室は勿論、学会出張や日医関連出張等の場合,移動の新幹線やホテルもドック処理を含めた私にとっては良い仕事場である。
この、ドック業務に追いかけられている私の状況はなかなか理解されないらしく,私が日直免除されていることには不満を述べる医師がかなりいるらしい。まあ,医師は自分が一番多忙だと思っている人種だからそういわれてもやむを得ない、とひたすら我慢。ただ,ドックを返上出来るなら喜んで日直を引き受けます、とは言っておきたい。
これは業務上の愚痴。
人間ドックでは私が担当してから現在まで年間500人,延べ2000人受けたことになるが,そのうち年一回のリピーターが多いので実質は300-400人程度だろうか。このうちで,視力障害を含む全項目で異常なしの判断は,(驚く事なかれ)たったの1名だけ。
悪性腫瘍は年間5-8人程度,治療を要する程度の生活習慣病は100人程度,生活指導を要する異常は約半数で見つかる。この生活習慣病関連の健康指導が実を結ぶのは10%もいない。あれだけ指導したのに同じ状態で,あるいは更に悪化して翌年また受けにくる。むなしい瞬間がそこにある。何のために人間ドックを受けるのか!!! しかし,怒るよりは人間の弱さの方を謙虚に認めなければなるまい。
これは受診者への愚痴。
3/21(木)春分の日 晴天・曇り 休宝寺彼岸講話
1:00起床、人間ドックx1、他、本日の講話準備 6:00完成、6:30病院、回診他。9:30プロジェクター、パソコン持参で帰宅.CD等聴く。11:00-12:10休宝寺彼岸講話「どうせ逝くなら大往生」。檀家の方々約50名ほどか。この彼岸講話は今回で5-6回目になるだろうか。帰路細川レコードにてCD「ピアノ名曲集」「バッハ Organ集」等を購入。14:00-16:00昨夜寝不足感あり微睡む。破損ビーカー、やかん、カルテ修理、Vn練習など。20:00夕食、21:00就寝.NHK-TVは終日イラク攻撃の同じ映像を繰り返している。
アメリカ軍、イラク攻撃二日目
午後、自宅で過ごしたがNHK-TVは終日イラク攻撃の同じ映像を繰り返し繰り返し放映している。陸軍も国境を越えて侵入を始めたという。
近代の戦争はほぼリアルタイムに全世界の家庭で見ることが出来る。かつてNY国政貿易センタービルがハイジャック犯のテロにあったとき、多くの人がドラマを見ているものと思ったと表現していたが、茶の間のTVでは日常からこのような戦闘の映像が観られているのであろう。イラク攻撃の映像とドラマやドキュメンタリーで日常的に放映されている映像との間の違いをどのように感じているのか興味が持たれるところである。実戦である以上、映像の記録は不完全なものにならざるを得ないが、TV等を通じて観ている人たちには物足りない映像としてうつり、戦闘に至る重要な過程や戦争の現場の深刻な問題は忘れさられ、次第にもっと刺激的な映像を求めるようになるのでは無かろうか。
それにしても未だにこの戦争の目的はよくわからない。フセイン政権打倒が目的だとしても何かおかしい。理解できない戦争である。しかし、開始された以上、悲惨な結果を招かないうちに終焉することをひたすら願うだけである。その鍵はフセインが握っている。
3/20(木)快晴 イラク攻撃開始 健康対策課来訪 病棟再編検討委員会
2:00起床。人間ドックx1名。3:00過ぎ家内帰宅、患者死亡と。5:30病院着。8:10人間ドック診察4名。9:00-13:30外来。15:00秋田県健康対策課来訪。不明の重症肺炎の情報伝達について。炭疽菌テロ等の対策について。また忙しくなりそう。16:00-17:30病棟再編検討委員会、一応一段落迎えた。残務処理他。20:10帰宅21:00就眠.
アメリカ軍、イラク攻撃開始
遂に本日、日本時間午前からアメリカ軍がイラク攻撃を開始した。かなりの大規模な攻撃が繰り返されている。全世界に緊張が走っている状況がラジオを通じて伝わってくる。今回は最初から政府の中枢部分をねらっている様子であるが、それでも非戦闘員の犠牲者がでることは避けられない。悲惨な結果を招かないうちに終焉することを願うだけである。
アメリカ国土はイラク軍の直接攻撃対象になることはない一方的な戦争であり、イラクは通常兵器での防戦しか行えないという、実に不公平な、結果が始めから見え透いた不思議な戦争である。アメリカは始めた以上、徹底的に攻めるだろう。イラクは引き時を見極めて欲しい。宗教、指導者崇拝を背景に国民の結束は堅いとされるが、かつて日本が唱えた国民総玉砕も辞さぬ等といったようなバカな展開方針は採って欲しくない。
真の目的が解らない攻撃開始によって対イラク問題は全く新しい局面を迎えた。恐らく、アメリカは比較的短時間で勝利するだろう。しかし、アメリカの他国の意見を半ば無視した行動、国連軽視の行動は戦局とは別の新たな国際問題を惹起していく。政治的な問題だけでなく宗教面からの新たな困難も迎える。国力、考え方に格差があればあるほどテロ活動も盛んになっていく。経済的混乱もこれに拍車をかける。自由と民主主義を重視するという方針をブッシュは捨てたらしいがその代償はとてつもなく大きいものだろう。
わが国のアメリカ支持表明も決して容易な決断ではないだろうが、現状ではやむを得ないだろう。わが国自身がアメリカの傘から抜ける為の独自路線を採る決断をしない限り同じ事は今後も繰り返されていく。イラク攻撃とかの各論のレベルの問題ではなく今後アメリカとどうつきあっていくかの総論的論議が必要である。為政者、国民にとって安全面でも経済面でも最も安全、安易な方策として対アメリカ政策を受け入れ、共にすっかり平和ぼけ、経済ぼけになっているが、これで良いのか考え直さなければならない。傘から離れる選択は厳しい結果をもたらすであろうけれども。
3/19(水)降雪 晴れ
2:00起床。人間ドック1名、紹介状2名、転院患者の退院時総括など.5:40病院着、車を走らせている間に激しい降雪、たちまち数cmに。直ぐに晴れ上がる。回診他、9:00-15:00外来+人間ドック説明2名、手がかかる患者後半に集中。入院患者敗血症ショックに、対応す。若干の来訪者の予定以外に本日は大きな行事なく退院総括、主治医意見書など懸案事項処理。20:00帰宅21:00就眠。
携帯電話の普及は人間関係にも大きく影響していく
私は携帯電話の便利さは認めるものの、あまりの便利さが逆に人間生活に種々の影響を持つと言う陰の部分への効果に注目しており、携帯関連のニュースがよく目に付く。
ある経済関連のミニ雑誌によると、昨年世界中で販売された携帯電話の数は4億2300万台と私から見て理解できないほど途方もない数で、しかも前年比6%増と言うことで驚く。わが国はエレクトロニクスに関しては先進的で、落ち目と言えどもまだ世界的に大きなシェアを持っているものとと思っていたが、携帯電話の販売での断突はフィンランドのノキア社製で第二位のアメリカのモトローラ社の2倍以上で日本製品のシェアは極めて小さい。現在世界中で所持されている携帯の保有者は10億人以上で、今年は更に10%以上も増える予定だとのことである。
今後携帯電話は更に機能が充実し、基本的には広範な情報交換の端末機としてパソコンに近づいていくであろう。その将来像を考えていくだけで確かに夢は広がっていくし楽しい。
携帯電話はいま高校生の80数%が所持しており、平均の使用額は10000円を超し小遣いのかなりの部分を占めているらしい。携帯電話はマンツーマンの通信手段と言うことで便利ではあるが、陰の部分として私が懸念していることの一つは、家族等の重要な人間関係等を意識する必要がなくなるというある種の恐ろしい感覚である。
成長過程の中で家族が果たしてきた、果たすべき数々のガードが携帯電話によって脆くも崩壊していく。その効果は大きな開放感だけに、子供達の中で急速に普及しているし、くだらないことで頻用されている。
一人一人の人間はそれぞれの家族を持ち、その中の大切な一人であるという認識は人間関係の中で大きなガードである。それが成長過程で希薄になっていくと言うことは、相手の立場を思いやる、尊重するという、人間としての基本的な感情を希薄にしていくことに繋がっていく。
そんな感覚を持った世代がどんどんと増えていくが、何か良い手だてはないものなのだろうかと常日頃思っている。
ちなみに、私の携帯は数日に一回程度しか使われない。使う必要がないと言う方が正しい。
3/18(火)曇り 医局送別会 県医師会委員会
2:30起床,人間ドック1名分、紹介状2部ほか.5:40病院、7:00回診、患者さん回診後間もなく死亡された。9:00-14:10午前外来+人間ドック結果説明1名.14:30-15:30病棟総回診に。18:00から元副院長他の医局送別会、残念ながら欠。18:30-20:40県医師会委員会。21:20帰宅。21;50就眠。座る間もない一日であった。
モーツアルトは作曲家などではない。異常感覚の翻訳家だった。
偉大な バッハは日本語訳では「小川さん」。しかし、彼の音楽は私にとっては「小川」のイメージとは遙かに遠く、近づき難く、難解な代物。今でこそやっと楽しめるようになってきましたが・・・。小川のイメージと異なるのはそれは当然ですね、たまたまBachの日本語訳が「小川」なのであり、本来彼や彼の作品と関係がなくて当たり前。
ところが、私にとって小川のイメージそのもの音楽があります。それはモーツアルトの作品であり、上手く表現できないのですが、彼自身の性格や生涯についてすらもそう感じているのです。彼の音楽は全て自然が生んだ、自然そのものように見えるし、聴こえて来ます。全く作為を感じないのです。あたかも自然そのものの醸し出す音そのものに聞こえるのです。
私はを彼自身を小川に例えてみれば理解しやすいと思っています。川と言っても河ではありません。河になりきれないうちに終焉を迎える小川ですね。無理にたとえれば、身近では奥入瀬のようなイメージです。
話は変わりますが、世に偉大なことをなしえた人にバランス感覚の良い、何処から見ても大きく非のうちどころのない人なんて一人もいません。要するにある視点から見ればバカな人間ほど、結果的には何かをなしえるような気がします。少なくとも私の知っている範囲でもそうです。バランス感覚の良いあらゆる方向で感受性の豊かなひとは並のレベルを超えたことなんてなしえません。そう言う人たちは実は隠れバカなんでしょうね、本当は。そう言う人間がたまたま分不相応の機会を与えられたとき、一見理想的・・と最初は思われるもののすぐに限界が露わになり、結果的に本人も周囲も迷惑するのです。
モーツアルトの異常性は、音楽以外のセンサーを持たないまま生まれ育ったところにあると思います。またその中で生涯を終えたことはとても素晴らしいことだったのでしょう。当たり前の感覚を備えていたら彼の作品は存在しなかったでしょうから。彼の作品は小川によって流れている一枚一枚の葉っぱに過ぎません。(バカなことを言うなと言われそうですが・・・)
3/17(月)晴れ 管理会議 長副会議 報道機関と県医師会との懇談会
2:00起床,人間ドック、介護保険意見書、紹介状3枚、総括他各種書類記入処理.6:00尿院着。回診、重症者数名。8:00管理会議.9:00-14:15 外来+人間ドック説明2名、16:30-18:00長副会議。19:00-21:10Castles報道機関と県医師会との懇談会。21:30帰宅、22:00就眠。
脇坂久留米大学名誉教授死去 年齢の壁は厳しい
脇坂久留米大学名誉教授が先日肺炎のため死去された。高齢になるに連れて体力が弱まっていく方々を身近に見ているなかで、彼なら恐らく元気で90歳、100歳のの齢を迎えることが出来るだろうとちょっと期待していただけに、訃報に接したときには「やっぱりそうか・・・・」と正直落胆すると共に、改めて老いというものの問題点を考えさせられた。
脇坂名誉教授、と言えばわたしは滋賀医科大学学長を務められた脇坂行一氏を思い浮かべる。こちらの方は血液学専攻で私にとってもより身近な方である。脇坂久留米大学名誉教授は外科学専攻の方である。時折間違えられるらしい事を何かで話していた様に記憶している。こちらの脇坂久留米大学名誉教授は外科学の分野ではとても有名な方とのことであるが、私とは分野が異なるために、彼のその面での業績はほとんど知らない。私が知っているのはアルピニストとしての脇坂名誉教授である。彼は80歳にしてヒマラヤ登頂を果たしたことでも有名であり、彼が征服したなのある山々は200峰にも達したという。
私が始めて彼を知ったのはいまから数年前のある学会での特別講演だった。とても80歳とは思えない矍鑠とした姿、わき出るエネルギーに驚いたものである。その後も時にNHKラジオ深夜便、4:00amからの「こころの時代」に出演されており、彼の生活信条等を懐かしく聴いたものである。大学を定年退官されてからは特に山への願望が一層高まったらしく、常に次の登山を意識して日常生活を送られた方で、本当の意味で「抗・生活習慣病的な毎日」を送られていた。その生活は規則正しく、食生活から睡眠、足腰の鍛え方、定期健康診断のことまで、私からみて理想的、模範的日々を送っていた。かれなら齢100歳も決して夢ではないと期待し、講演や健康講話でも一つの人生の過ごし方の例として紹介させていただいていた。
彼がお亡くなりになったことでまた新しい話題の展開が必要になってくる。如何に生活を律しても、高齢という厚い壁は人為的には破れるものでないことを伝えながら、その日を静かに迎える心の準備の重要さについて、である。
3/12(日)晴れ
2:30起床、人間ドック判定総括2人分、紹介状3人分など種々処理。トロトロといつもの如くに10:00頃まで業務処理。ガレージに冬期間おいた亡き義母の遺品整理、ヤマハ250ccのバイク「ビラーゴ」点検。クラッチ、ブレーキ共に故障しており修理必要。同僚の医師からいただいたオーディオ装置再チェック。途上で自分のCD関連機器に新たな故障発見し、修理にかなりの出費が予測される。熱帯魚関連で不要になった水槽等処分。居間の環境整理etc。16:30-19:00病院にて残務処理。19:30帰宅Vn etc。21:00就眠。
自伝 高校・浪人時代(1961〜64)(6)
化学部に入部、実験の楽しさを知り、キャンプなど体験
入学と共にクラブ活動としては化学部に所属した。部員は30名前後。結構学年別の上下関係が厳しく、挨拶その他の規律なども厳しい決められていた。一方、クラブとしての行事も多く、年に何回かは登山やキャンプなども計画され、ほぼ強制的に参加させられた。私は山や森は嫌いではないが、集団で・・と言うのがどちらかと言えば苦手であるが、やむを得ない。夏には山に3泊ほどする合宿もあり、テント生活などをしたが、お陰でいろいろ体験できた。姫神山へ登山した際には男子部員と競争して登ったため、長距離自転車通の効果もあり、そこそこの早さで登ることが出来たが、これで私は登山というものをすっかり嫌いになってしまった。どちらにせよ、私のアウトドア体験の多くはこの化学部の2年間に集中している。
化学部は数グループに分かれ、それぞれが一つずつ研究テーマを持っていたが、私が属したのは植物色素アントシアンの研究グループであった。他のグループが何をやっていたのか、今は全く思い出さない。(続く)
3/15(土)曇→晴天 河辺町講演 県医師会No123定例代議員会+懇親会
2:30起床、人間ドック他、5:40病院着.回診、8:10 人間ドック診察4名、9:00説明1名。10:30病院発11:00-12:20河辺町講演「ぼけは防げるか」12:42病院着残務。15:30-19:20県医師会No123定例代議員会+懇親会。選挙規定改訂部分提起担当、20:00帰宅Vn いただいたオーディオ機器を鳴らしてみるがCDプレーヤー不調 22:00就眠.
癒しの楽器 パイプオルガンと政治 文春新書
草野 厚 (著)
価格:¥680
パイプオルガンと政治はどんな関係があるのか?東京駅書店でこまち乗車直前にこの本の背表紙を見たときの第一に抱いた感想。4時間も時間があるし、ま、いいかと購入したもの。秋田在住の音楽好きの私にとって パイプオルガンはアトリオン音楽ホールを通じて身近なものになっているが、そのオルガンに対して私は特に政治的諸問題点は全く感じていなかった。それだけこの本にはインパクトがあり、こまちの車内で一気に読むことが出来た。
一般的にオルガンはサイズは大きなものであればパイプ数4000本以上、サイズ5x4x10m、重量10トンにも達する巨大なものであり、当然一台ごとに手作りで値段は5000万円から数億円まである。楽器はホールとか教会に設置されるもので通常は個人愛好家が購入して楽しむことは出来ない。
オルガンは1990年を境に公共ホールに20数台一気に設置された。このことに著者は異常を感じ調査したのがこの本である。
著者はオルガンはいわゆるバブル時期に一気に建築された音楽ホール等に飾りものとして設置され、その設置の切っ掛けは市長、町長等の個人的な強い意向、思いこみであり、必ずしも音楽関係者、愛好者の意向に沿って設置されたものではない事や今ではほとんど演奏もされていない本当の飾り物になっている実体などを明らかにする。また楽器の選定委員会のありようにも言及し、この楽器と政治の関連を考察している。
アトリオンのオルガンがどう評価されているか興味を持って読んでみた。1億2千万円だったのだそうで、政治色や税金の投入が無かったことや全国的にも珍しいほど頻繁に使用されている実体が明かされ、秋田市民として、音楽愛好家の一人として正直なところホッとしたというのが実感である。それだけに、本当の飾り物になっているオルガンが将来どうなるのか気になってしょうがない。
この本を読んでいる間中、20数年前に国際血液学会でモントリオール、ケベックを訪れたときに、大きな教会の中で聴いた壮大なオルガンの音に深く感動したことを懐かしく思い出された。
3/14(金)晴れ 医師会打ち合わせ(キャンセル) 法人理事会
2:00起床、人間ドック他処理、明日の講演準備.5:40病院着、回診、事務処理他。人間ドック説明なく時間に若干余裕.昨日の再編委員会はかなり異論が出たらしい。受け持ち患者さん死亡された。10:30-12:30新患担当10数人。医師会打ち合わせは午後の業務多忙でキャンセル。主治医意見書巡るトラブルなど残務対応多数。17:30-20:15法人理事会。年度末で話題多数。21:00いただいたオーディオ持参し帰宅。21:30就眠.
イラク攻撃支持は国レベルの自殺行為 平和ボケ、経済ボケの国民は自覚を
「力も技のうち」 と言われる。米国の軍事力は圧倒的に強力でありフセインがいくら強がりを言っても勝敗は明らか。だが、 どんな戦争にも犠牲は避けられないし、どんな理屈を付けても「正しい戦争」なんてないのだ。同様に「正しくない平和」もない。米国の圧力は小出しではあるがイラクの譲歩を引き出しており、仏大統領は「米国はすでに戦いに勝利した」と言っているように「戦わずして勝ている」のだ。ブッシュは難しいだろうが振り上げた拳の落とし方を模索すべきだ。今攻撃すればブッシュは米歴史上最悪の指導者として名を残す。なぜなら、その影響は戦闘の場の問題だけに留まらず、経済の混乱を通じて世界の隅々まで影響を及ぼすからである。どこの国の国民もイラク攻撃を支持してなんかいないのだ。
東京株式市場では10日、日経平均株価20年ぶりに8千円の大台を割り込んだ。産業界は政府、日銀に対し3月期決算をにらんだ緊急の株価対策を求めている。首相は政府・日銀と一体となって対応していく考えを強調したが、株価下落の最大要因がイラク情勢の緊迫化にあることの認識が欠けているのではないか?日本政府は米国支持の姿勢を強めるばかりだ。何故だろうか。米国の傘に穴があくことを恐れているからだ。
イラク攻撃が始まり、長期化すれば、それによって生じるであろう世界経済の混乱が、デフレや景気低迷から脱却できない日本経済を直撃するであろうことを国民は厳しく自覚すべきである。なるほど日本人はイラク攻撃が始まろうと誰一人として犠牲にはならないだろう。しかし、我が国は経済の打撃を通じて疲弊し、多数の犠牲者が出ると予想される。米国一辺倒の外交政策を変えようとしない首相の姿勢こそ批判されるべきだ。米国との距離をあける事は数々の困難をもたらすであろうが、米国一辺倒の外交政策もまた国レベルの自殺行為に等しい。
イラクが大量破壊兵器を持っている事が一つ攻撃の理由であるが、果たしてどれだけの兵器を持っているかは誰も知らない。大量破壊兵器とは、核兵器、化学兵器、生物兵器、それらを150Km以上遠方に撃ち込むミサイルを示す。国連の調査で見つかった大量破壊兵器は、次々に破壊したり捨てたりしたが、1998年調査不能になっている。もし、これらの兵器所有が攻撃の第一の理由なら米国は情報を世界に流すべきである。誰も解らないから米国の姿勢を正当化できないのだ。仏露独などはもっとイラク国内を調べるべき、と主張しているが当然である。
3/13(木)東京快晴温暖 秋田晴天寒い 日医医療関係者等対策委員会
2:30浅草ViewHにて起床。メール多数あり対応、結構時間を費やした。差額ベット運用に関する総婦長からの意見に対応など。7:00朝食、秋田組合病院のクリニカルパス原稿検討他・・。11:00浜松町にANAチェックイン、駅構内の大型書店にて本購入。駒込に移動。12:30-16:00日医医療関係者等対策委員会。17:40ANA、18:45秋田着。19:45-21:30病院、重症者回診その他処理、帰宅、夕食22:00就眠。
何時までも聴いていたかったほど心地よかった、山手線の社内放送
通常、東京駅他の駅構内の放送がうるさく、日常から嫌音権を主張している私にとっては極めて不快である。何でJRではあんなに大声でがなりたてるのか。不満である。モノレールの駅、社内放送もひどい。その点は飛行場の放送はまだ良い。そういえば、ポーランド、フランス、スイスの駅ではほとんど放送なんて無かった(あっても意味が解るはずもないが・・)。
しかし、本日午前の山手線上野から浜松町に向かった車内の放送は極めて心地よかった。初めての体験である。20歳程度??の若い女性の声、どちらかと言えば太めのやや低音。ゆっくりと、モノトーンに、適宜間をあけて話す。「次は・・神田・・神田・・に到着いたします。・・地下鉄・・◎◎線は・・お乗り換え・・」。あくまでも抑揚なく、淡々と放送する。しかも全くよどみ無い。JRも良い録音を使い始めたな・・等と考えていたら、「有楽町駅に・・停車します。・・ホーム対側に・・間もなく・・快速列車が・・到着いたします。・・お急ぎの方は・・お乗り換え・・・・」と放送して停車。間髪を入れず快速列車が到着した。これは録音ではあり得ないタイミングである。恐らく社内放送担当の職員が同乗していたとしか思えない。リアルタイムの放送ならこのよどみのない、落ち着きはなんなんだ・・・と感心、放送の度に耳をそばだてて聴き入った。実に心地よかった。「次は・・浜松町、・・浜松町・・」、本当はもっと聴いていたいくらいであったが、後ろ髪引かれる思いで降車した。車内は結構混んでいたがこんな事を考えたのは私だけかもしれない。
航空券のチェックイン、本購入後、山手線で逆方向、駒込に向かった。社内放送はいつもの如く車掌のいつものパターン。不快であった。
録音で良いから今朝の女性の声で車内放送して欲しいと思う。東京の喧噪な文化、駅のがなりたてる雰囲気がらりと変わっていく切っ掛けになるかもしれない・・等と考えた。私の方が異常なのかナー、やっぱり。
3/12(水)快晴 降雪 全国感染症等危機管理担当理事連絡協議会
2:30起床。人間ドック1名分他.5:20Taxi出勤、回診、重症者二人をおいての出張は辛い.一人は麻酔下状態に置いた.8:50病院出発,9:30搭乗手続きするも座席なし! 座席のオーバーセールスによるもの.あぶれたうちの一部の方々はカウンターの女性に食って掛かっているが,結果は同じ.11:25ANAに切り替えて東京に.時間出来たのでビュッフェでモーニングセットつつきながら徒然など蓄積す.本荘のK院長と会ったが彼も同じだったという.全国感染症等危機管理担当理事連絡協議会には若干遅れただけで出席出来た.途中微睡む.やはり受動的に聴いている時間は辛い.16:30終了.浅草ViewHに。人間ドック3名分他紹介状など処理.横浜在住の長女とゆっくりと夕食. 21:30就寝。
何と !! 予約したJALに搭乗できず.もうけ主義のオーバーセールス
9:30頃空港に到着,10:00発のJALへの搭乗手続きをのために自動チェックイン機はエラーが出て不可となりカウンターに並ぶ.3人ほど前の乗客のチケットに対して担当者はキーボードを一生懸命たたいているがさっぱり進まない.何かあわてた様子が読みとれる.
結論は「全席決まってしまってもう座席なし」ということ。私を含めてカウンターに並んだ7-8人搭乗できなかった.原因は座席のオーバーセールスによるもの.クレイマーに対してカウンターの女性は「今日は特別で・・,たまたま,予約されたほぼ全員がおいでになって・・・」などと必死に説明していた.私は13:30からの会議なので若干の遅れで済むのですんなりと11:25ANAに切り替えた.大きな被害ではないにせよ予定変更を余儀なくされたのだから何らかのアクションはするつもりだがカウンターに対してやっても無駄,私は後に利用しようと思って証明書を発行してもらった.証明書には「JAL552便オーバーセールスにより搭乗便の変更にご協力いただきました」とあった.別に「ご協力」した積もりはないが結果的にはそうなったのだからやむないか.この件に関しては秋田に帰ってからゆっくり対応してみることとしよう.
座席数以上にチケットを販売するオーバーセールスは一般的には決して珍しいことではない.購入段階で座席が指定される場合にはないが,特に劇場等での自由席の販売ではよく行われているという.300-500人乗りの大型飛行機の場合,全席売れても実際にはかなりのキャンセルが出る.それを見越しての販売と言うことになるが,その目的は一人でも多くの乗客を獲得して搭乗率を維持し収入を上げることにある.航空運賃が自由化され会社間の競争時代になり、より安く搭乗できることは良いことだが,一方ではこの様な対策をとっていてその煽りを受けるようであっては問題である.
予約販売したということは乗客と航空会社間で一種の契約が成立した事であるが,搭乗を確約したことにならない.国際便の場合には予約した乗客は出発数時間前に搭乗することを航空会社に予告し約束しないと自動的にキャンセルされるし,ビジターのホテルの予約も場合も同様である.
国内便の場合には15分前までに搭乗手続きをするよう指示がある.今日の場合には25分前であったからJAL側に問題がある事は明らか.予約チケットを購入していても先着順に締め切られ,他の便に振り変えられるだけ,としたら飛行機による移動は随分不安定なものになってしまう.(まあ,今日も良い経験を一つしたね)
3/11(火)寒波 雪 総回診 医師会打ち合わせ 顧問会議
1:30起床,人間ドック1名分総括、紹介状2部.療養病床入棟基準案作成。5:20病院着、数cm降雪。回診他。8:10人間ドック診察4名。3名中2名は雪のために来れないと言う。男鹿市・仁賀保町とか20-30cm。9:00-13:00午前外来、13:30人間ドック説明。14:30-15:30総回診合流、15:45-16:20医師会打ち合わせ.18:00-20:10顧問会議。20:40帰宅。組合病院Nrs来訪。原稿検討。22:00就寝。
病院医師のコスト意識の欠如について
私が勤務する病院では外来カルテは「一人一カルテ方式」でドックなどの結果も全て添付されるから何科を受診していても患者さんに関する情報を知ることができる。これはいろいろなことが解るすぐれた方式であり、古くからこの方式を採用した先人達の慧眼に驚く。
人間ドックを受けた患者、あるいは受けようとしている患者が外来を受診していることは多々あるが、ドック受診の1-2週間前後に外来で多数の検査が行われている事が少なくないのでガックリ来る。勿論、何らかの変化が患者さんにあってそれに見合った検査がなされるのは問題ないが、何も変わっていないときの定期検査として(しかも30数項目もの検査、しかもその大部分の項目はドックと共通でカルテに結果が添付されてある)出されるのだから問題である。患者はドックを近々受ける、あるいは受けたと話しても当然通用しないのだそうだ。
これは小さな例だ。私は、通院している患者が検診やドックを他で受けた場合には結果を取り寄せてカルテに添付し、外来の治療に役立て、無駄な検査がなされないように配慮している。また、紹介患者がデータを持参したときはカルテに添付し、検査の項目は絞って行うなどの工夫をしている。特に、働き盛りの年代の方は企業で各種の定期検査がされているから私が担当する外来ではほとんど検査をしていない。まあ、これも小さな事だろうが。
「日本の医療費は無駄遣いが多い」とよく第三者から指摘されるが、これに対してわれわれは必要だから検査し、処方しているのだと言ってはいるが何となく力が入らない。前述のような事例を多数見聞きし、医師のコスト意識の欠如に対して問題を感じているからである。
これは国民皆保険、しかも給付率が高かった頃の後遺症といえるし、大学や大病院中心の医師の卒後研修のあり方にも問題があったことを示している。少子高齢化は国民皆保険の堅持を困難にしているが、それだけではない。医師のコスト意識の欠如も問題なのだ。
3/10(月)晴れ 管理会議 長副会議
2:00起床。人間ドック1名分、主治医意見書、病棟再編ニュース原稿作成。週末の講演準備開始他、5:20病院着。重症患者若干良いか?安堵した。8:00管理会議.9:00-13:30 外来、混雑。回診。16:30-19:30長副会議、懸案事項多数で長丁場。療養病床転入基準作成。20:30帰宅21:00就眠。
最後のタイガーオスカー死す
約10年飼育した熱帯魚(タイガーオスカー)の3匹のうち、最も長命であった1匹が感染症か老衰か不明だが、3週間ほど前に死んだ.何度か体表の感染症に罹患しもう駄目かと思ったことも数回はあるが、メチレンブルー等の薬液の添加で乗り切ってきたがついに力つきた。昨年1月上旬には2匹目が死んでいる。2年ほど前に死んだのは隻眼の奇形魚であった。共に購入時約2cm、200円位だったかな。それが25cmの巨体になって水槽を悠然と泳ぎ、我々に安息をもたらした.当時10cmほどのサイズのはその店で5000円くらいで売っていたからここまで大きくなれば幾らくらいの値段になったのだろうか。今、庭のコンポストの中で眠っているからこの3匹目も来春から夏にかけては我が家の花壇で最後の働きをしてくれるだろう.
約10年間、水槽が3-4ヶあったが、昨日ついに一つにまとめられた。同居させたプレコも購入当時3cmほどであったが今は35cm、40cmほどに育った。昔は喧嘩して何ともならず、やむなく別居させたが、昨日今日の観察では今回は上手く同居出来るようである。間もなく他の二つの水槽、ポンプ等が撤去され居間の様子が一変するだろう。とにかく手間も大変だった。
ところでこの熱帯魚を購入した頃には秋田市の中心街には少なくとも3軒のペットショップがあり時に長男に連れられて見に行き、水草などもよく購入したものだ。しかしその3軒とも今はない。我が家のタイガーオスカーの生涯には病気以外には大きな変化はなかったと思われるが、熱帯魚を取り巻く、あるいは商店街を取り巻く状況には大きな時代のうねりと流れを感じてしまう。感無量である。
3/9(日)晴天
11:00起床、新聞スクラップ,人間ドック総括2名分,紹介状など種々、2;00-4;00微睡む.徒然,紹介状など記載.7:10検食、8:30ー11:00病院にて回診、残務処理、帰宅。人間ドック、Vn練習、熱帯魚水槽フィルター清掃。水道は手が切れるほど冷たい。2槽に分けていたプレコ、かつては喧嘩して一緒におけなかったが、を大型水槽に同居させた。高齢化したからか喧嘩せず。16:00-17:30微睡む。18:00-19:30病院、重症者回診他残務消化、20:00帰宅、Mac PF5210+StylwrighterU、¥1000で組合病院看護婦さんに引き取られていった。22:00就眠。
自伝 高校・浪人時代(1961〜64)(5)
「土人踊りは人種差別か否か」問題
土人踊りはいろいろな演出も繰り出されて30-40分程度で終わるが、出演した我々はそれからがまた大変、プールの水、水道の水を互いにかけ合ってドーランを落とす。盛岡の5月13日はそれほど暖かくないだけに寒く辛いものであった。最後の仕上げは学校脇の銭湯で洗い落とすのだが,芋を洗うがごとしでゆっくりなどしてはおられない.十分色を落とす間もなく、冷え切った身体を十分には暖めることもできずあがらざるを得なかった。短時間とはいえ、それでも風呂の温かさ,有り難さが身にしみた。それにしてもこの銭湯の汚れは大変なもので掃除に難渋したと思うが,協力してくれていたのだろう。当時は街全体が若者達のやることを暖かく支えてくれていた。
ところが、昭和63年「土人踊りは人種差別か否か」問題が生じた。カルピスのシンボルマークやちび黒サンボが黒人差別として問題になったあの時期である。結局、カルピスは長年親しまれたトレードマークの黒人女性が飲んでいるイラスト・ロゴの使用を諦めた。(なんだかその後カルピスは力を失ったような気がしてならないが・・。)
校内では平成3年まで毎年のように大論争となり,地元新聞,「AERA」、ひいてはNHKニュースにまで取り上げられたという。問題を抱えながらも投票の結果で踊りは続けられていたが、平成5年ついに「猛者踊り」と改称し,黒以外の色を塗って続けることになるが、やはりかつてのように全身を黒く塗った「黒猛者」も少数は必ず出てくるとのことである。
高校生の行事一つにも時代の流れを感じられるが、この「土人踊り」は私の高校時代の数少ない楽しい思い出の一つになっている。
3/8(土)曇天 講演;医療福祉宣言と療養型病床導入 ,リハビリ当直
1:30起床、主に本日の講演の画像処理.コメント追加など.6:00病院着、回診,8;10人間ドック診察4。10:00友の会理事協力者の会,11;10-12;10講演,懇親会で13;15迄.病院にて業務,15;00-15;00机上で熟睡,寝不足+アルコールのせいか.16;00-17;00回診,17;10リハビリに当直に移動.たまった新聞大量に処理.夕食後20;00-23;00就眠.
コロンビア事故から1ヶ月 大気が地球を堅く守っている
2週ごとにリハビリ当直している.前々回当直室でコロンビア事故のニュースがあったので1ヶ月たつ事になる.事故当時何も資料がないままにいろいろ考え,徒然にも記載したが本日に至るまで大きな進展はない.今晩も徒然に考えてみる.
原因はまだ解明されていないが,最も濃厚に疑われているのは耐熱タイルの破損に基づく一連のプロセスである.そこまで解ったのであれば何とか助けられなかったのか?と思う.しかし,答え「ノー」であろう.タイル破損が原因なら,助かる唯一の機会は大気圏内にいる数分以内に判断して緊急帰還することしかなかったことになる.その判断に許される時間はわずか3分.シミュレーションで緊急帰還の項目に入っているような事態が生じた場合には問題なく帰還のプロセスが起動したと思われるが,今回疑われているタイル破損はこの定義にはなかったであろう.結局,2週後の帰還時の事故は回避できない状況でプログラムされ,搭乗員は知らないまま業務を続けていたことになる.地上のNASAでも実際には打つべき手はなかったのだろう.
第一,タイル破損の可能性が分析されていたのは打ち上げ後の画像解析で数日後である.少なくとも打ち上げ中断の判断の機会はなかったのだ.
第二に,もし,リアルタイムで解ったとしても3分間の間に誰がマニュアルにもないような小事故による大事故誘発の危機を察して緊急帰還の判断できたのか?無事帰還できたとすれば,その判断は果たして正当に評価されたのであろうか?
第三に,ひとたび大気圏外に到達した後であれば,どのような手段が考えたとしても助けることは出来なかったことになる.例えば,船外活動で状況の把握と修理? そのような活動予定なく準備されていない.国際宇宙ステーションに避難して救助を待つ? そこまで到達できる燃料を積んでいなかった.救助用のスペースシャトルを飛ばす?これも無理.準備には数ヶ月かかるから不可・・・である.
第四にシャトルは大気によるガードを突き破るためにきわめて狭い条件の中でしか帰還できない.故障が見つかったからと言って,より安全な帰還方法の選択など出来ないのだ.
つらつらと考えるだけでも身につまされてくる悲惨な事故である.ところで今回の事故ではこの地球が大気に覆われていることで地球自身が他の天体や浮遊物から強固に守られている事を自覚した.一昨年の流星群などは大気による地球のガードが堅かったことで被害が出なかった.今回は地球の住人が自らを守ってくれている地球の防御機能を破ることができなかったために生じた皮肉な事故とも言いうる.
同じような防御機構は人体にもある.強固な異物排斥機能により臓器移植が失敗することもあるし,アレルギー疾患,膠原病などの発症は自己を守る機構が過剰に自己を攻めることで生じてくる.生理と病理の複雑な兼ね合いの結果の具現である.
3/7(金)曇り 身体障害者福祉専門分科会 県医師会打ち合わせ
1:20起床、人間ドック総括2名分他、5:20病院着、回診他、9:00人間ドック説明1名, 日本内科学会出張、日医出張等の手続き。10:30-12:45新患補助外来。13:30人間ドック説明1名.書類書き他、15:00-16:40身体障害者福祉専門分科会にて県庁に.17:00-17:45県医師会に。明日の講演準備に集中、20:00帰宅、21:00就眠.
ブラックジャックによろしく (1) 講談社 モーニングKC
佐藤 秀峰 (著), 長屋 憲価格:¥533
医療ものの漫画。主役は超一流の私立医科大学卒業して研修医となった青年医師。給料は16時間勤務で月額三万八千円! 医療の現場に放り出されて「医者っていったい何なんだ??」と疑問を持つ視点で貫かれているのが面白い。週刊漫画誌「モーニング」に連載されていたとのことであるが、普段私は週刊誌類は一切読まないのでこんな連載漫画があったとは知らなかった。
私が知っている範囲なんて著しく狭く、全体的に論じる事なんて出来ないが、医療ものでは古くは山崎豊子の力作「白い巨塔」、手塚治虫「ブラックジャック」があり、近年では佐々木倫子&小林美恵の新人看護婦漫画「おたんこナース」も面白い。「白い巨塔」は医学会の暗部を描く形で意義はあったが、時代柄遠いよその世界の出来事程度にしかとらえられていなかったように感じる。しかし私が知っている限りにおいて研修医を主人公として医療界の告発的構成を持った本(漫画)は初めてで相当にインパクトのある漫画である。
恐らく、ある私大で研修医の過労死問題、その判決があったことも執筆の切っ掛けになっていると思われるし、また、医師の卒後臨床研修必修化が義務化されるこの時期に良い話題を提供するであろう。大体給料が38000円なんて世界は今どき医療界以外どこにも無いから信じてもらえないがこれは事実である。
まず、絵が巧い。目の表情が活き活きしている。先輩医師との対話の中での激しい心の葛藤が良い。保険診療の話、医局制度の問題点も雄弁に語られる。その中でも指導医クラスの中堅外科医師の描かれ方が医療に真摯に立ち向かう情熱を感じさせる。患者の視点に立つ貴重な言葉もちりばめられている。
漫画なので全体的に誇張があるが、記載内容には大きな間違いはない。監修者の医療情報研究所の長屋 憲氏が細部までチェックしているのだろう。
医療の世界、医師の世界のことは一般の方々には殆どまともには伝わっていないが、このような本を通じて、読者が少しでも問題点を感じてくれればいいと思う。私も全巻購入して読みたいと思う。
3/6(木)曇り、医局MC、第2回要介護者・障害者歯科保健医療体制準備委員会
1:30起床。人間ドック。2:30家内帰宅。懲りずに自由人。4:30過ぎに就寝。しばらくタクシー通勤だからマア良いか、黙認。徒然など。5:40病院着。回診他、9:00-13:30外来。15:00-17:00県第2回要介護者・障害者歯科保健医療体制準備委員会。17:00-18:00 I 医師来訪。19:15回診。22:15帰宅。21:30就寝.
増えてきたインフルエンザトラブル. されど、患者は責められない
インフルエンザは全国的には下火になりかかってきたが、実際秋田はまだまだ猛威をふるっている。本日もA,B双方に罹患した、高熱の若い女性が受診したし、学級閉鎖のニュースもまだ飛び込んでくる。2月初旬に不足した迅速診断薬、一部の特効薬十分といえないまでも使える状態に復帰している。小児用薬はまだまだ手に入らないが、大人用のカプセルを利用して何とか使えている。本来はこのような使用法は認められないが特例処置だ。
今年の特徴は患者またはその付き添いが、「インフルエンザだと思うから、検査をして特効薬を出して欲しい・・・」と言ってくることである。そういう患者を診察しながら、われわれは一体何なんだと思うことも少なくない。まあ、具体的に高熱で苦しいわけだから気持ちは分からないわけではないが、診察後に「検査不要でしょう、治療も一般薬で十分・・」と説明しても納得しない。先日、夜間の救急室では検査不要と判断して説明した医師に納得しない患者の同伴者が興奮してくってかかり、あわや暴力沙汰になるところだったと言う。
今年の薬品不足の背景は迅速診断が可能になったこと、更に早期服用でほぼ確実に効果がある特効薬に関する知識が医療者のみならず一般住民に急速に広まったこと、更に日本全体が流行状態になったことにある。
私は抗インフルエンザ薬は一部の患者に用いればいいと考えている方であるが、そういう私も個々の患者を前にして辛い状況にある患者から処方を懇願されると断り切れない場合も多々ある。何とか険悪な状況を作らないでいるが、これから先の医療はますます難しくなっていく事が予感されてならない。
診察時にトラブルが増えてきた事の背景は、患者方の中途半端な知識と短絡的判断、思いこみにもあることは確かだが、このこと自体は責めるべきものではない。先ず、われわれは病気や医療に関しての一般の方々の知識や判断力はそんなものだと理解する必要がある。ましてや高熱などの症状の急性疾患に対しては思いこみは激しい。その人達をいかにソフトに受け入れ、正しくさとしながら対応できるか、医療側の方の姿勢に配慮が必要である。
医療者側と患者側がちょっとしたことで直ぐに対立関係になる嫌な時代を迎えている。
3/5(水)曇り 秋田県医師連盟執行委員会 県医師会常任理事会
2:00起床、人間ドック2名分、家内の発表用パワーポイント図表作成の手伝い、終了。自分の講演準備は殆ど出来ず.5:30病院着.入院重症化しつつある。9:00-13:00外来後半混雑。13:30人間ドック説明2名。16:30-17:30秋田県医師連盟執行委員会、統一地方選挙の件。聞いているだけの会は辛い、よく寝てしまった。17:30-19:45県医師会常任理事会.20:00-21:00病院で業務。21:00帰宅.21:30就眠。
テーマパークって何だ。銀行の企業管理能力はもはやあてに出来ない
長崎のハウステンボスという巨大な遊園地が倒産した。風車やチーリップで人気を集めたという。デイズニーランドの成功に味を占めてか関東以南に続々とテーマパークが開園したが成功した例はほとんどない。私の感覚では最初から成り立つはずがない。計画が杜撰で集客予測もかなり過大に見積もっている。第一、人口が多くなければ無理だし、更にリピーターを獲得するのに常に投資が必要である。そのためには一定以上の入場者確保が必要。価値観が多様化したとしても風車やチーリップに興味を持つ人は一握りでしかない。一握りでも成り立つほど人口密集地に近いと言うことが必須条件。東京、大阪付近でなければ成り立たないだろう。
経営が一旦傾くと再建計画は困難である。もともと交通機関や旅行会社などの関連企業の総力を挙げた形で運営しなければ維持が困難であるが、黄昏の企業を維持するために何処が総力を挙げると言うのだろうか。むしろ損害をくい止めるために撤退を考えるのが普通である。
金融機関の再建能力も変わった。先には再建は銀行管理から始まったものであり、銀行から専務や社長でも乗り込めば、取引先も安心出来たから再建の機運は維持できた。ところが今はもう銀行が支えきれない。考えてみれば当然でもある。銀行出身者に経営手腕があるわけではなく、金勘定と出身母体に顔がきく以外に能はない。銀行も苦しい状態で、身動きが出来ない。企業の経営を銀行が管理できる時代は終った。危機はまだこれから続くだろう。
ちなみに、私はテーマパーク等には全く興味がなく、デイズニーランドにも行ったことのない一握りの方に属す。人混みは嫌だと言うのも大きな理由である。
3/4(火)寒波襲来 降雪 県医師会打ち合わせ 県薬剤師会との話し合い
1:30起床,人間ドック総括2 人。紹介状返事、レセプト5枚.5:30病院着、積雪5-6cmでスリッパでは冷たい。まだ天候甘くはないね。回診他、8:10人間ドック診察5名。午前外来途中でドック説明3名挟んで14:30終了、総回診に合流、15:30レセプト症状経過報告4名分、他。18:00県医師会打ち合わせ、18:30-20:20県医師会館にて県薬剤師会と懇談●疑義照会の件●後発品備蓄の件●処方マニュアルの件。途中で家内から車を駄目にしたとの連絡あり。20:30帰宅、事故と車に関して若干検討21;30就寝.
家内、居眠り運転にて立木とブロックに激突。
薬剤師会との懇談の最中に家内から電話が入った。自宅の近くで交通事故を起こしたとのこと。民家の立木とブロックとに激突、幸い人身事故ではなかったというので処理の大要を指示し、懇談会が済んでから帰宅。
車は既にガレージに入っており、なじみの車屋さんも来ていた。甥も二人駆けつけみんなで何とか動かしたらしい。日産プリメーラのフロントの丁度真ん中部分が立木にぶつかり左右対称にV字形に30-40cmほど見事にめりこんでいた。結局は再生不能、廃棄処分にすることとした。車自体は10数年もので老衰状態に近かったので問題はないが、運転者を含め人的被害が全くなかったのは不幸中の幸い。家内は衝撃でバッチリ目が覚めたというし身体も何ともないらしい。立木はかなりしなり、数mほど上で折れたという。この立木の柔らかさと車のつぶれによる緩衝作用が衝撃を減らすのに功を奏したのであろう。家内はケロッとしていて事故を起こしたことに対する意識が乏しいようである。
家内はもともとまともに睡眠をとらない人で、普段から何時寝てるのかよく解らないほど不規則人間である。病院の仕事もまともにやっているのかどうか心配でもあるが深夜まで帰ってこないからそれまでかかって何とかやっているであろう。若かりし頃「真夜中の女医」と言われていたこともある。
特にここ数日は帰宅後も、私と共に朝まで仕事をしていたから相当寝不足状態にあったと思われる。今日は発表用の原稿を仕上げるために特に早く帰ってきたのだがそれが災いしたのだろう。これを機会に生活態度が変わることを願いたい(・・到底無理か)。
3/3(月)雛祭り 曇り-雪、雛祭り 管理会議 長副会議 病棟再編シミュレーション
1:00「プリンターのインクが切れた」と起こされる。途中2度病院より電話などもあり寝不足だが、起床。人間ドック、土曜の講演の準備、家内が3/8院内発表をパワーポイントで行うと言うことで作成を5:00まで手伝う。Windowsは難しい。5:30病院着。回診他、8:00管理会議.9:00-13:00外来。16:30-18:00長副会議。18:00-19:20病棟再編シミュレーション検討。患者不調にて胸腔穿など、20:30帰宅.21:00就眠。
小泉総理、ついに医療に株式会社を参入(自由診療部分限定)させた
小泉総理は「聖域なき構造改革」として多方面の改革の断行宣言したが、強力な反対にあって、一向に実施されていない。ただし、例外的に医療保険制度だけは「構造改革」「規制緩和」の標的にされ続けている。
その改革の柱は 患者及び国民の負担増,診療報酬のマイナス改訂と給付率の引き下げ,医療への株式会社算入,混合診療の導入等で、財政対策と市場原理の考え方に終止し国民の命や健康を守るという政治家の使命を放棄している。
政治家は狭い範囲でものを考えてはやっていけないのは当然であり経済も大事である。医療よりも大事かもしれない。しかし、問題にすべきは、小泉総理の改革の理念は、「生命・身体・健康、公序良俗、消費者保護等に関する規制であるという理由で対象外にすべきでなく・・」(構造改革特区提案募集要項)の文言に象徴されている方向性である。要するに、経済活性化のためなら人の命・身体・健康を犠牲にしても構わないという考え方であり、医療人として到底賛同できるものではない。
医師会を始め各団体が首相の医療制度改革には反対しているが、国民運動にまで至らず盛り上がりを欠く。国民は、先を読めない政治情勢や経済運営のもとで、自らの生活と、我が国の将来に大きな不安を抱きながら日々の暮らしているにもかかわらず、何故か余りにも大人しい。特に、医療や福祉の分野に関しては尚更感じてしまう。身に火の粉が降りかかって来て初めて事の重大さを認識する。国民の大部分は健康人なんだから当然なのか?
一方、マスコミは医師と国民が対立関係になるようにし向けているから、誰しもが医師とか医師会にある種の悪しき印象・感覚はいだいている。それゆえ、医師会が頑張れば頑張るほど、何故か冷めてくるようだ。
3/2(日)晴れ (野戦病院のような)日直
早寝したため0:30起床、仙台出張の家内1:30帰宅、患者重症で駅から病院に直行。人間ドック総括、講演準備など.7:30日直出勤、9:00-13:00までは野戦病院的混雑、9割方は発熱中心の小児。親がインフルエンザの検査・治療を、と求めてくる。他に前日や夜間外来からの経過観察者3名、救急車搬送4名、病棟での死亡確認等、・・・。結局、外来業務終了は16:00過ぎ。残務後19:30帰宅、Vn30分ほど、20:30就寝。眠いし、大変な一日であった。
自伝 高校・浪人時代(1961〜64)(4)
バカ騒ぎだが結構楽しかった「土人踊り」
応援歌練習が一段落すると5月13日の開校記念日に行われる大運動会の準備である。この中に伝統行事であるところの「土人踊り」の練習が始まる。太鼓の音に合わせて何だか意味の解らない歌や歓声、嬌声をあげながら原始的?と思える振り付けの踊りである。ポイントは腰の動き。男子生徒だけであるが、まともな格好での練習は最初の頃は気恥ずかしくもあったが、数百人も一堂に会して毎日同じ事をやっていると慣れてくるから恐ろしい。(群集心理ってやつかな)
当日はパンツ一丁で藁とか葦で作った腰簑をつけ、目と口の周り以外の全身にドーランを塗りたぐり、手が届かないところは互いに塗り合う。顔が隠れると誰が誰だか解らなくなるので互いに側のもの同志で塗り合う。こうなってしまうと、もう恥ずかしさとか何とかは全く消失して気が楽になる。何十人かはこの姿で高校付近の街に出て嬌声をあげながら宣伝に回る。私も上田近辺に割り当てられた。
運動会自体は関係者しか集まらないが、伝統的に有名なこの土人踊りの時間になると周辺の住民や高校生なども結構集まり黒山の人だかりになった。
これが盛岡一高名物 土人踊りだ!
土人踊りの歌
ノーナマニサパヤンプリマ
ノーナマニサパヤンプリマ
ノーナマニサパヤンプリマ
ウササノヤマガダギ
キタイナウリピネ
ウウヤワウウヤワ
テンヤワウー
(以下略)
3/1(土)曇・晴れ・曇 東北緩和医療研究会仙台
2:00起床、人間ドック処理 etc。5:40病院着、ここ数日ジャケットなし、スリッパで通勤が可能。回診、書類書き、8:10人間ドック診察x5、蓄積した書類整理製本。性感染症モニター定点観測医療機関推薦案作成。14:00-15:00散髪。洗髪以外はウトウト、またもや病院地下の若い理容師に迷惑かけた。病棟再編関連懸案処理、3/8講演の準備開始。18:00帰宅、Vn 練習久々に1時間、20:30就眠.
「新米お父さん」の一言に感動
自宅の隣に住んでいる家内の姉の次男で現在は結婚して市内のアパート住む甥が3週間ほど前に晴れて父親になった。男の子なんだそうだ。奥さんと新生児は退院後は男鹿の実家に戻っているので、新米お父さん(以下Y君としましょう)はチョコチョコと隣の実家に帰ってきては食事している。
先々週の日曜日、丁度コーヒーが入る時間でもあったのでY君を我が家に招き入れた。たまたま帰省していた長男と家内の妹やその息子(BOSE)なども同席していて話が弾んでいたが、談笑の途中でY君は、突然深刻に一言、「実はさ、子供のことで気がかりなことがあるんだども・・・」と言いだしたのである。
私は子供は五体満足健康に生まれたと聞いていたのでそれ以上の関心は無く、時に言葉を挟む程度で傍らで残業の人間ドックの処理を続けていたが、「はて、新生児に小さな奇形とか心音に異常でも見つかったのか・・・」とちょっと緊張した。「実は、・・・」とY君はなかなか言い出さなかったが、「・・・イヤ、コーヘー(子供の名前)が将来、年取ってから頭の毛が薄くなるんじゃないか、とても心配で・・・」と本当に心配げに語ったのである。奥さんの家系の方々にそういう傾向があるというのだ。
私はそれ聞いて、ガックリすると共にとても「新鮮な感動」を久々に味わった。私が親になったときにはこんな事は考えもしなかったからである。それと、同時に私が今の若い世代にほぼ共通に感じ取っているある種の感覚、楽観性(?とでも言おうか、)をその時もまた感じてしまった。
年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。 日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。 |