2007年11月分
日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。
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何で輪ゴムを貰うかというと栞代わりのためである。新書にも紙の栞がついてくるが落ちたりして邪魔である。開いた頁に背表紙まで輪ゴムをかければ落ちることもなく何かと便利である。
11/29(木)晴
外来 新型インフルエンザ発熱外来設置打ち合わせ 重症患者対応 県文化功労賞受賞記念祝賀会(欠)秋田市医師会臨時総会(欠)
2:30起床.ドック総括x1、徒然他。5:15病院着、6:30回診、8:00救急カンファ。8:00病院発、8:45-14:45外来。15:00県、秋田市の担当者来訪、新型インフルエンザ発生時の発熱外来設置と医療体制構築打ち合わせ。以降は重症患者関連業務に集中。18:00からの加藤秋大名誉教授県文化功労賞受賞記念祝賀会、19:00からの秋田市医師会臨時総会は共に急遽欠席。21:00重症患者状態安定。21:45帰宅、夕食、22:15就寝。
牛乳(2)なぜ、今時紙キャップなのか? なぜ、簡単には外れないのか?
私はまだ見たことはないが、最近ポリキャップを採用するメーカーが増えてきたとのことである。明治乳業は2003年を最後に紙キャップの使用を止め、メグミルクも北海道と中部以外はポリキャップとなっているとのこと。この傾向を見ればいずれ牛乳キャップはすべてがポリキャップとなってしまうのだろう。
紙キャップは直径3.41cm、この円の中に様々なデザインが施され、商品のイメージアップに貢献して来た。今後、ビンも改良され、丈夫さが増した薄手のビンになると言うし、ちょっと寂しくなる。わが家に配達される「栗駒高原牛乳」は嬉しいことに未だに厚手のビンに紙キャップである。
何でこの時代、紙キャップなのか?何で瓶を横にしても、ひっくり返してもキャップが外れないのか?この2点についてはいつも不思議に思っている。私は衛生面のメリットがあるのではないかと思っている。一度開栓するとなぜかもう元のようには戻らない。だから、早めに飲んでしまおう、と言うことになる。ペットボトル入り牛乳が許可にならないのはこの点の問題だと思う。
ところで、接着剤等用いられてなさそうだし、真空になっている様でもなさそうなのに、どうして紙キャップはしっかりと栓の役目をしているのだろうか?さすがに落としたりすると外れる事から、私はソフトに陰圧になっているのだろうと推察している。いつ陰圧にするのか?これも分からない。殺菌終了時、まだ暖かいうちに栓をするのかな?
病院の机上においたままだと開栓すると二日間が安全に飲める限界のようである。週末放っておいた牛乳は時折ヨーグルト化している。百科事典によれば日本の牛乳の販売は、明治時代
に入って大量失業した武士の就職口として注目されたらしい。この頃から大衆が牛乳を口にするようになった、とされる。この時代、牛乳売りは桶から家庭の鍋や丼に量り売りしたのだと言うが、衛生面でしばしば問題も出たために、1889年
の「牛乳搾取規則」によって牛乳瓶に入れて販売するようになった。このうち、ガラス製の瓶は洗浄して繰り返し利用された。それでもいろいろ事故が生じたのであろう、1033年に殺菌処理が義務化された、と言う。
田舎の私の家では酪農家から直接牛乳を購入していた。毎朝6:00頃、1Kmほど離れた農家に空き瓶を持って新鮮な牛乳を取りに行くのが小学校に入る前からの私の役目であった。これを持って帰ると母や祖母が鍋で一瞬沸騰させてから飲ませてくれたものである。濃くて、甘くて、ホントに成分無調整牛乳であった。この様な中で育った私は市販のパック牛乳、特にスーパーの安売り牛乳は何となく薄い様に思えて満足できない。
「栗駒高原牛乳」は嬉しいことに昔の雰囲気を漂わせているから、私は好きだ。
11/28(水) 晴 部長面談 外来 インフルエンザワクチン接種 県医師会理事会+倫理委員会
2:00起床、ドック総括x1他、5:15病院着、6:30回診他。8:00-8:30部長と面談。8:40-14:30外来+ドック結果説明。15:00共済会担当者来訪打ち合わせ。16:30-18:30県医師会理事会。19:00-21:30県医師会倫理委員会。22:00帰宅。22:00就寝。
牛乳(1)ビンのキャップは何でずっと紙なのか
我が家では牛乳の宅配を受けている。
「栗駒高原牛乳」なる900mlの瓶詰めの製品。「成分無調整」「温泉熱を利用した65℃、30分の低温殺菌処理」が売り物の製品らしいが、確かに濃厚感があって美味である。キャップを開けると上部にはクリーム成分が浮いている。牛乳の「成分無調整」とはどういうものか分からないが、他の製品ではあまり見る事はない。ビンを販売店が回収していくのも良い。
週に何本届くのか私は分からないが、何年前からか我が家の冷蔵庫にパック牛乳の姿はない。実際、あまり消費されないので、時に冷蔵庫に何本か貯まるし、牛乳を用いた料理が続くこともある。
一月ほど前からやむなく私が時折病院に持って行き、2-3日かけて飲んでいる。一日一食の私には食品バランス上でも良いだろうと納得している。
牛乳は雑菌
が繁殖して腐敗
するなどの問題が発生しやすい。このため洗浄して再利用するガラス製の牛乳瓶と、紙パックだけ認められている。パックの牛乳をストローですするのは何とも味気なく、厚手のガラスビンから直接のむのが一番である。業界では牛乳の消費拡大を目指して、ペットボトルも容器として認めるよう働き掛けているといるが、取り扱いが便利になるだけ問題が生じるのかもしれない。
ところで、これだけ石油合成品が多い中、何で牛乳瓶のふたは未だに紙キャップなのか疑問に思う。紙キャップは子供の頃からずっとであるが、今になってみると不思議である。
かなり前には紙のフタを千枚通しの様な道具で針で刺して開けていたが、最近は爪先でフチを持ち上げるつまみが付くようになった。これだけが唯一の進歩のように見える。瓶の口はかつては紙、ビニールを巻き付けて保護していたが、近年はプラスチック製のキャップも増えている。それでもフタは相変わらず紙製である。何故なのだろうか。
11/27 (火)曇り 外来 法人常務会 県医療審議会医療法人部会
医局MC
2:10起床、ドック判定総括x1他。5:10病院着。定期処方箋発行他。8:00救急カンファ。8:45-14:20外来.14:45-16:20法人常務会、17:00-17:40県医療審議会医療法人部会、17:50-18:30医局カンファに出席、眼科救急。入院患者不調22:00帰宅、22:30就寝。
医師不足対策(19)女性医師問題は女性医師みずから運動を(2)
「育児休暇」、「子どもが病気になったときの対応」で見る限り、秋田県内で働く女性医師は一般的に言われている以上に頑張っている、と言う実態が明らかになっている。それだけ子育て環境が悪いと言うことの反映でもある。
更に項目を見てみると、出産前後の勤務形態の希望としては常勤のままが59人(56.7%)を占め、非常勤が29人(29.7%)、仕事を辞めたいが2人(1.9%)であった。
出産、育児の立場で行政や病院経営者へ求めたい支援策では「保育園・託児所の整備、拡充」(93人、73.2%)、「夜間保育、病児・病後児保育の充実」(91人、71.7%)、「上司・同僚の理解」(80人、63.0%)などが目立った。
これらのアンケート結果は日医の病院委員会等で全国各地から集まってきた委員の発言と比較してみると違いが大きい。委員会の中で語られた意見で女性医師の実労働時間0.7どころか0.5以下、いや0.3にも近いと厳しい評価も聞かれた。委員会の話題が医師不足問題であり、各地で医療崩壊が進行しつつあると言う背景もある中の発言だから特に厳しかった。
この、委員会での評価とアンケート結果に表現された頑張りの差の由来は何なのだ、と考えると、第一はこれらのアンケートの解答率が女性医師314人中135人(43.0%)に止まっていることと、その中で子どもが「いる」医師が69人だった事に大きく関連している、と思う。それによるバイアスは小さくない、と思う。
女性医師の諸問題の解決の参考にしようと秋田県が行ったアンケートに対して女性医師この程度の回答率しか得られなかったという事は残念でもある。基本的に女性医師問題は女性医師が自ら解決する土壌作りをして欲しい。われわれ男性医師が病院運営の立場や地域医療維持の立場で女性医師問題を論じていること自体、隔靴掻痒のレベルでしかない。
私にとっては女性医師問題は自分自身の問題でもあるから無関心ではいられない。
私が医師になってから今までを振り返ってみると女性医師の置かれている環境は随分変わってきた。少しずつではあるが環境は良くなってきている、と思う。しかし、就労の実態は大きく二極分化している。厳しく働いている医師がいる一方、優雅に過ごしている方々も少なくない。前者の方はあまり書かないが、後者の立場の方々の随想などが医療関係の雑誌等に時折掲載される。医師としての行き方の変容は妊娠、出産、子育てが切っ掛けになっているようであるが、現状にほぼ満足しているからか、問題点を発信しているわけでない。それを読むと私は少なからず落胆する。
11/26(月)曇り 管理会議 外来 療養病棟判定会議 長副会議
2:00起床、ドック判定総括x1、徒然他。5:10病院。6:30回診。7:45-8:25管理会議、8:45-14:20外来。15:00医師面談。16:00療養病棟判定会議、対象者4名。17:00-19:25長副会議。20:50帰宅、夕食、21:40就寝。
医師不足対策(18)女性医師(1)
我が国は男女共同参画が今頃さけばれているように、女性の社会進出が遅く、妊娠・出産・育児に関わる面での女性が働くための社会環境の整備が大幅に遅れ、いろいろハンディを負っている。その影響をもろに受けているのが看護師や女性医師などの医療関係者である。
最近、女性医師が急速に増加しつつある。
医師は業務上、立場上かなりの義務を負っている。場合によっては私的生活に支障が出ることも少なくない。そのために女性医師は家庭、育児と業務の両立が困難で、離職したり、パート医として働くケースが増加しており、医師不足を加速している、と言われている。
厚労省は女性医師の実労働時間をイギリスを参考に0.7としているらしい。実際には更に低いとの意見もある。女性医師が増加した分、相対的に医師不足になっているから大学入学者数を増やすべし、との意見もあるほどである。
本当に女性医師の状況はそんなものなのだろうか。今回改めて秋田県が昨年11月に行った県のアンケート結果を改めて見直してみた。
県では県内の女性医師314人に質間票を送付し、135人(43.0%)から回答があった。その結果から一部の項目を引用してみる。
育児休暇取得についての質問では、子どもが「いる」と回答した69人のうち、休暇取得は15人(21.7%)で、取得しなかったのは52人(75.4%)であった。
育児休暇を取得しなかった理由は、「取れる雰囲気でなかった」(20人、38.5%)、「休むと同僚に迷惑が掛かる」(16人、30.8%)、「代わりの人がいない」(13人、25.0%)の順で、「休むと辞めなければならなかった」「医局から取らないよう要求された」との回答もあった。
さらに、子どもが病気になったときの対応についての質問には、「子どもを預けて働く」(37人、53.6%)と半数を超え、「休暇を取る」(10人、14.5%)を大きく引き離した。
要するに、「育児休暇」、「子どもが病気になったときの対応」で見る限り、秋田県内で働く女性医師は一般的に言われている以上に頑張っている、と言う実態が明らかになっている。
11/25(日)晴れ 病棟拘束
2:00起床、ドック総括x2。日医作文、医師、患者への書簡など。12:30離秋する長女を駅に送り病院に。入院患者対応、老健施設申込書、紹介状返事など業務。19:00帰宅、夕食,22:30就寝。一昨年、左下肢激痛にて終日臥床した記念日。その後再発はない。
大相撲九州場所終了 先日、羽田空港で大勢の力士をみた
今日の帰路、ラジオのニュースは福岡国際センターで開かれていた大相撲九州場所が千秋楽であった事を報じていた。優勝は横綱白鵬で2場所連続5回目とのことであった。実際は取り組み前に優勝の可能性を残した力士が怪我で千秋楽を休場し、不戦勝で横綱の優勝が決まったとのことで、昭和3年に不戦勝制度が確立されてから初めてという。
私はあまり相撲に感心があるわけではない。今年の各界は朝青龍問題、若手力士のリンチ死事件などの不祥事でもめ、最後の場所は珍事で終了したと言うことになる。
先月、10月19日に羽田空港で100人ほどの力士の集団とすれ違い、彼らの存在感に圧倒された。
これまで数人の力士を見ることはたまにあったが、これほどの大勢の力士を見たのは初めてである。彼らはさすがに大きい。一般の乗客とは全く違う、一線を画した巨大なサイズである。全員、浴衣のようなスタイルに草履履き、帯をしっかり締め、着乱れは全くない。清楚であった。
とりわけ目についたのは見事に、形よく結い上げられ、固められ、乱れが一切ない髪型であった。美的なイメージすら感じとれた。どの程度の位にいる力士なのか全く分からなかったが、若く、互いに和気あいあいで、仲良さそうな表情で、やさしげな笑顔に満ち、とてもはつらつとしていた。これから一体何処に行こうとしているのだろうか。
彼等の姿を見て若干の疑問と心配を感じた。
限られた人数の閉鎖社会とも言える角界の力士同士で,対戦時に心から、対抗心、闘争心が湧くのだろうか?一般の施設、空港等のトイレは小さすぎないか?彼らは航空機のシートに果たしてまともに座れるのだろうか?私が感じる何倍もの窮屈さに耐えねばならないのだろうな・・などと、ちょっとしたことであるが、いろいろ心配した。
11/24(土)雨・曇り 病棟拘束 歯科受診
2:30起床、ドック判定総括x1、新聞チェック、徒然他。5:10病院着、6:30回診他。8:30救急カンファ、以降は事務処理、日医委員会関連。14:30-16:40歯科治療に外出。病棟患者対応。19:30帰宅、夕食、22:30就寝。
「キレ」る(2)
本音では私も「キレ」てみたいのだが
佐藤綾子教授による怒りの対処方法として、(1)迎合型、(2)引きこもり型、(3)攻撃型、(4)バランス型、の4種類に分類している。なかなか当を得た分類だと思う。これを自分に当てはめてみた。
幼少の頃、原因が何であったか忘れたが祖父の怒りを買い、小屋に数時間閉じこめられた事があった。その時にわたしも「キレ」て小屋の中にある米びつから何から手当たり次第にひっくり返した。これが今までの一番大きな「キレ」経験だと思う。小屋の中はかなり大変なことになって、周りの大人達に随分迷惑をかけてしまった。それを見て以降は、この様な格好で怒りを表現することはなかった。
他人が「キレ」るのを数多く見た。見るのも辛いし居たたまれなくなる。それを見て私にも抑制力が随分備わった。私の場合、外での怒りやストレスの多くは(1)の迎合型でその場を繕って乗り切り、怒りの感情は時間に解決を任せてきた。この様な解決方法は正直新たなストレスの因になった。
家の中では、特に子育ての過程でミニ「キレ」は全くなかったというとウソになるがぐっと抑制し、(2)の引きこもり型で乗り切った。方法として「ふて寝」をすることで解決し、ウジウジと怒りの感情を長引かせないように努めた。比較的上手くコントロール出来たと思っている。
大学から今の病院に移り、業務上でもいろいろな対応をしなければならなくなったが、環境だけでなく年齢のせいか、瞬時に怒りの感情がわき上がることは殆ど無くなった。しかし、主として対人間関係の中で、怒りという迄は行かないまでもストレスを感じる機会はむしろ増えてきている。
今は立場上(3)の攻撃型は絶対にとれないし、(1)の迎合型もとれない。残された方法は(2)の引きこもり型に持ち込み、時間をかけて冷静に考え(4)のバランス型で解決を図るしかない。この解決方法も自分の感情にとっては何ら解決に結びつかず、ストレスとして蓄積する。しかし、根深いのはいつまでも残るが、都合が良いことにどうでも良いものから時間が上手く解決してくれる。
診療上のこと、業務上のことなどで私にクレームを付けに来た方々の話を聞きながら、あまりの身勝手さに、ここで私が「キレ」る事が出来たらどんなにかすっきりするだろうか、と夢をいだきながらじっと聞く。最後は「捨てゼリフ」を言われて終わる事が多い。これも心にグサッと来る。これらは大きなストレスになるのだが、これが今の私の立場なのだ、と納得するしかない。
こう考えると、「キレ」る方々を一概に非難できない、と言うことにもなるが、簡単に「キレ」る人を私は前向きに評価できない。
11/23(金)勤労感謝の日 曇り 病棟拘束 冬支度多少
2:00起床、長女が夜のこまちで帰省していた。ドック判定・総括、退院関連書類処理など処理。日医委員会関連報告書関連など。10:00-14:30病院。15:00バイクを車庫の奥に収納、除雪機整備等の冬支度若干。午睡。19:30外食、業務若干。22:00就寝。
「キレ」る(1) 外来で「キレ」る患者や家族が増えてきた
怒りの感情は大事である。良い意味でコントロールし出来れば自分にとって新たな活力の源になるし、不満を改善する原動力にもなる。
怒りをコントロール出来ずに突然爆発させる現象を「キレ」ると表現し、かつては現代の若者の気質を語るときによく引用されていた。
しかし、最近、中高年の男女が突然「キレ」て、それによる暴行・傷害事件が増えているのだそうだ。
佐藤綾子日大芸術学部パフォーマンス学・心理学教授は怒りの感情の対処方法として、(1)相手に合わせたことを言い、怒りをため込む迎合型、(2)相手を避けて自分の内に入る引きこもり型、(3)怒鳴る、殴るなどの攻撃型、(4)怒りの原因を冷静に分析してうまく自己表現するバランス型、の4種類に分類している。
「キレ」は(3)の攻撃型で、その表現は個人の性格にもよるが「ぼやく」、「捨てゼリフを言う」程度から「ののしる」、「殴る」、「殺人」まで幅広い。
警察庁のデータによると、暴行や傷害事件の切っ掛けは各年代とも、いわゆる「キレ」が最も多く、約8割ほどを占めている。しかし、年代別頻度ではここ10年ほどは10代が横ばいで20代以上が増加している。60歳以上は約10倍、30代と50代が約5倍程度増加している。
職場などで蓄積されたストレスを、自分が大切に扱われていないと感じた瞬間、相手が自分より弱い立場とみるや突然怒りをその相手にぶつけてしまう、と言うことだろう。医療機関は「キレ」られる危険が一杯である。患者や家族は自分たちは病める弱者で病院では最大限大切に、親切に扱われて当然、と思っているし、一方では患者なのだ、利用客なのだ、来てやっている、と言う奢りの気持ちも併せ持っている。だから、看議師や受付の事務職員が無愛想だったり、医師の対応に不満を感じると突然爆発行動にスイッチが入ることになる。この時、必ず大勢がみている前で突然「キレ」る。「キレ」る側の心の現れなのだろうと思う。
怒りの対象になった職員は必ずしも自分が原因になっていない。院長に対する不満のはけ口のこともある。だからといって責任転嫁は出来ないし、反論も出来ない。ただひたすら落ち着くのを待つのみである。だから「何で自分がそこまで言われなければならないのか」と激しく落ち込む。「キレ」た方もストレスが発散されたかというと、決してそうではないらしく、ますます不満が増幅し、自責の念で落ち込む、とのこと。
双方にとって「キレ」は無駄なやり取りである。感じた不満をきちんと相手に伝達すれば済むことなのだが・・・。
11/22(木)降雪・寒波 外来 病院職員全体学習会 治験コ・オーディネーター来訪 研修管理委員会 法人理事会 県脳卒中医療連携体制等検討委員会
2:00起床、ドック判定・総括、退院関連書類処理など。5:10病院着、所々圧雪で滑った。6:30回診他、8:00救急カンファ、8:45-13:00外来。13:05-14:30職員全体学習会「民医連」。15:00治験コ・オーディネーター来訪。16:00-17:00研修管理委員会。17:00法人介護福祉担当部長来訪。17:30-18:30法人理事会、19:00-20:10県医療保健福祉計画脳卒中医療連携体制等検討委員会に中途から参加。21:30帰宅、22:10就寝。
医局の各室の施錠後一年 病院の消費電力は若干増えただろう
個人情報保護法が整備された2年ほど前から個人情報に関して社会のありようが変わってきた。少し神経質過ぎて、法を拡大解釈し、「個人情報保護」と言うより「個人情報隠蔽」のレベルなのでは?と思う事もあるが、法施行前よりは好ましい方向なのだと納得している。
医療機関は従業員が個人情報を多量に扱っているし、医療法でも規定があるから本来もっとこの面について厳しくて良かったはずであるが、法の制備前は意外とルーズだったと思う。
幸い当院では患者の個人情報を無くしたとか持ち去られたという事件はない。しかし、医局にはカルテ、書類を等の個人情報が保管されている。医師はほぼ全員、私用のパソコンを用いて業務を処理しているし、オーダリング用のパソコンも数台ある。一方、医局には多くの訪問者がいる。このことから当院では昨年の11月から医局の全室をロックすることにした。オートロック式、暗証番号で解錠できるタイプであり、これでハード的には、個人情報の安全は一応計られることとなり、管理する側にとってもまず一安心である。私も部屋を離れるときには施錠するが、安心感があって良い気分である。気持の上でもうロック無しの環境には戻れない。
あれから一年、果たして施錠の効果はどうだろうか。その後も特に何か持ち去られたという事件もないからこれは検証しようがないが、個人情報保護に対する職員の意識高揚には結びついていると期待している。
医局の施錠は病院の消費電力に微々たるものであろうが確実に影響を与えていると私は思っている。私は出勤が早い。通常その時間帯医局には誰もいない。しかし、天井の照明が点いたままになっている部屋は多い。エネルギーは有効に利用すべきであって浪費は許されない。コーヒーが出来上がる迄の時間を利用して各室を回って消灯して歩いていたが、施錠するようになってからはドアを開けるのが面倒で止めている。だから、医局の施錠後には病院の消費電力は若干ながら増えたはずである。
システム的に如何に厳重にしようとも、部外者をチェックしようとも、身内が注意しなければ何ともならない。誰もいないのにロックされていない部屋が毎朝1-2室はある。頻繁に出入りする場合、面倒だからということでオートロックにならないように工夫しているが、ついそのまま帰宅するのであろう。各人の意識とモラルが個人情報保護の最後の砦、最良の鍵である。その面で未だ少し自覚が足りない医師もいるようで、啓蒙を続けなければならない。
11/21(水)降雪・寒波 外来+ドック診察+結果説明 県教育庁特別支援課員来訪 感染制御部と打ち合わせ他
2:00起床。ドック総括x1、その他。5:10病院、6:20回診他病棟業務。8:00救急カンファ。8:45-14:20外来+ドック診察x4+ドック結果説明x2。疲れ果てた。20:50帰宅、夕食、21:45就寝。
降圧剤の使用について、無知を知り、反省し、気分良し
入院患者や時に外来患者で血圧が著しく高い場合、過去にはレセルピン製剤の筋注が、次いで、ニフェジピン製剤の舌下または内服投与する降圧治療が比較的安易に行われてきた。看護師から異常な血圧値の報告があった場合など、ニフェジピン製剤の投与がまだ一般的に行われているようであるが、これは正しくない治療法であることを知った。
そもそも緊急に降圧が必要な病態は少ない。
血圧の上昇は多くの場合は何かの症状、ストレスに対しての不安とかが契機になって生じるのであって、一般的に血圧を下げる意味は殆ど無い。血圧そのものより、その原因の治療を行うのが正しい。実際、私はいつもより血圧が高いからと言って降圧剤を使用することは殆どない。ただ、患者の観察をしている看護師への対策のために、そのような場合には「主治医に連絡」、と入れてある。連絡が来ても多くは経過観察の指示で済む場合が大部分である。
しかし、患者や家族は血圧が高いことを強度に心配し、時にパニック状態になる場合も少なくない。通常外来に通院している患者であれば日常の診療を通じて十分に納得させているので問題は少ないが、救急を受診した患者などの場合は時として対応が面倒な場合もあり、何らかの対応が迫られる場合もある。
数日前の朝の救急カンファレンスで、救急外来での降圧の是非と使用する薬剤についてのディスカッションがなされた。救急担当医はニフェジピンの徐放剤を投与していたが、これに対して私が、「真に降圧が必要な際に、ホントに徐放剤で良いのか?」と問いかけたのが切っ掛けであった。
結論は、近年はそういう考え方になっているのだそうで、若手医師から文献も見せて貰った。2000年の日本高血圧学会の治療ガイドラインで「ニフェジピン製剤の舌下または内服投与は用いない」という方針が示され、製品の能書も用法と使用上の注意が変更されていた。
降圧の是非の考え方は間違ってはいなかったが、もし、降圧が必要であって経口剤を用いるなら、無用な副作用を防ぐ意味でも除法剤の方が推奨されている、と言うことについては、私は不勉強で知らなかった。
私が関与した患者に今まで何ら不都合なことが生じなかったが、不勉強を自覚し反省した。新しい考え方を知ってその日は良い気分で一日過ごす事が出来た。
11/20(火)晴れ→曇り 寒波 患者家族面談 外来 法人常務会 医局会
2:10起床。ドック判定総括x1。文献検討、徒然他。5:10病院着、積雪なし。6:15回診他。7:00入院家族と面談。8:00救急カンファ。8:45-14:25外来+ドック結果説明x3。14:45-16:30法人常務会、17:30-18:20医局CPC。21:00帰宅、21:30就寝。
経済財政諮問会議 来年度の予算編成 医療・福祉関係に厳しい判断
今朝の出勤時のNHKラジオニュースによると、来年度の予算編成の方向性を話し合った経済財政諮問会議は来年度の予算編成においては国の経済を立て直すために厳しく抑制策を進めることになった、と報じた。
その中で、公共事業費は具体的に3%の削減と明示したが、他の分野も削減の方向としながら具体的数値は上げなかった。医療・福祉分野においても削減の方向とし、薬剤費の見直しなどを行う、とのこと。一方、社会的に問題になっている産婦人科医師の育成等には一定の予算を割り当てる、という内容であった。
早朝のニュースだから情報量は少ないが、わずか数分のニュースの中に厳しい方向性が示されている。
安部政権の8月7日にこの経済財政諮問会議で2008年度予算編成の基本方針「2008年度予算の全体像」を取りまとめたが、この中で社会保障は昨年同様に本年も2200億円削減することを明記した。この機械的圧縮明記に、「これでは医療の崩壊の悪化は防げない」、などの批判が相次いだ。
安倍首相の言動の中に小泉前首相が敷いた路線を徐々に是正していく様な兆しを感じ取り、期待してきたが、彼が議長を務める諮問会議の結論がこれでは幻滅であった。かくして、参議院選挙、自民党大敗、ねじれ国会、安部首相辞任、福田内閣誕生のコースをたどったが、この背景は小泉、安倍政権の施策と国民感覚とのズレの開大にあった。福田首相は「背水の陣」内閣として次回の総選挙では絶対に負けられないとの命題を背負っての誕生であるために、経済運営に何らかの英断をしてくるものと期待しているが、今朝のニュースを含めて、伝わってくる話題は徐々に厳しいものになってきている。
病院運営実態分析調査によれば、2006年度の病院の運営状況は総収支差額で赤字病院は72.8%に上っている。自治体病院の実に90.7%、その他公的病院59.6%が赤字である。私立病院は必死の経営努力で47.3%に止まっているが、国民の健康を守っている病院の経営状態がこれほど厳しいのは医療行政自体に問題があり、その元凶は低医療費政策であることは明らかである。
日本各地で医療崩壊が進行しつつある中で、更に低医療費政策を推し進めるのであれば一層の医療崩壊は避けられない。
国民の健康はこれでは守れない。医療機関の運営は一層困難になり、医療関係者の業務環境は一層悪化していく。
この段階でも、物言わぬのは「座して死を待つ」に等しい。
予算案が出来上がってからでは遅い。医療関係者は各々所属する組織を通じて政府に対して声を上げるべきである。
11/19(月)降雪・風雪で初冠雪 管理会議 安全管理者と面談 療養病棟判定会議 長副会議
2:00起床。ドック判定総括x2、文献等処理、徒然。5:15病院着、初冠雪あり、夏タイヤでソロソロと出勤。6:30回診。7:45-8:30管理会議、10:00-10:40安全管理者と面談。16:00療養病棟判定会議。17:00-19:30長副会議。21:00帰宅、夕食、21:30就寝。
今季一番の冷え込み 冬支度を急がねば
未だ11月中旬というのに突然の強い冬型の気圧配置の影響で、日本全体が昨日から寒気に覆われた。九州地方でも最低気温が1-3℃の所もあったようである。県内は昨日午後から強烈に冷え始め、雨は風雪と変わった。19日朝には平野部でも一面の銀世界となったとのことで、雪景色の写真が地方紙の社会面を飾っている。秋田の気温も今季一番の冷え込みとなり、秋田市で初氷を観測したとのことである。
秋田地方気象台によると、東北地方の約5000m上空にはマイナス36℃以下の、1月並みの寒気が入り込んだためとのこと。19日午前11時現在の各地の24時間降雪量は秋田市の中心部で4cm、横手市では29cmの降雪となっている。明日からは若干ながら寒気は緩むとのことではあるが、実に寒い。
まだタイヤ交換していない。今朝はタクシーにしようかと一時迷ったが、滑らないように注意しながらゆっくりと走った。この時間帯、路上にまだ車は殆ど走っていない。幸い路面の状況はそう悪くなく、危ないと言う感覚はなかった。
今年の冬支度は時間的にも余裕を欠いていたこともあって、完全に後れを取って些か慌てている。今週末にはタイヤ交換し、除雪機を出して整備しなければならない。バイクはもう乗る機会はないだろうから物置の奥に仕舞い込む。
私は寒がりだから冬は苦手であるが、年と共にだんだん苦手意識が強くなってきている。従来は防寒対策を不十分にしたままやせ我慢して乗り切ってきた部分もあるが、やはりこの辺で発想を変えなければならない年代を迎えたようだ。
ところで今冬の雪はどうなるのだろうか。心配である。従来は攻めの気持ちで積雪・降雪期を迎えていたが、今年は逃げの気持ちが入り混じった気分で迎えようとしている。
11/18(日)雨・降雪 病棟拘束 市町村男女共同参画計画策定記念フォーラム(欠)
2:30起床、ドック判定総括x2。午前かけて日医委員会関連等の業務処理。13:00市町村男女共同参画計画策定記念フォーラム、家内参加、私は病院へ。13:30-19:00病院にて業務。19:30帰宅、夕食、20:30就寝。
医師不足対策(17)更に全国大学で年間245人増員されると言うが・・・
今回、秋田大など医師不足が深刻な地域の11大学と自治医科大学で110人の定員増を認めたが、これとは別に、医学部の入学定員を各都府県で最大5人、北海道で最大15人増やす方針も固めている。これらが実施されれば更に年間で最大245人の増員となる。これも当面10年間の暫定措置と言う。
長い間、「医師は将来過剰になる」として国は医学部の定員削減を進めてきたが、国が医師供給増へ方針転換した様に一見思える。しかし、大きく方針転換したとの明解な言及の事実はない。あくまでも前倒しで10年間の措置と強調している。
医学部の定員削減は、昭和61年、厚生省(当時).の検討委員会がまとめた見解が起点となった。平成7年をめどに医師の10%削減目標が掲げられ、その後、全国の主要医学郎の定員が減らされてきた。その理由は医師が過剰になると国民医療費が高騰するという医療費抑制優先の姿勢で、日本の医療を将来どのような方向に持っていこうかという視点は全く欠如していた。それがどんな結果を招いたのかは、昨今の医師不足の現状をみれば大きな誤りだったことは明白だが、それを公式に認めたこともない。しかし、昨年7月、「医師の需給に関する検討会は中間報告書」を公表したが、その中でも将来は全体の医師数は充足としている。
ところが、厚労省の高官が本年6月頃から時折医療費抑制策とか医師養成数削減について個人的な見解の範囲で見直すべき時期・・と言うようなことを発言し始めてている。最新のニュースとして桝添厚労大臣は11月14日の経済財政諮問会議に臨時議員として出席し、医師不足について個人的見解としながら「医師数の抑制は限界に来ている。全体として増やす方向に転じるべきでないか」と述べたことが伝えられた(メディファックス)。何れも、あくまでも個人的な、と断った上での発言の範囲を出ていないが、徐々に厚労省内の空気も変わりつつあることを示しているように感じられる。
今後のことは流れを見ないと分からないが、現状ではいろいろな意見がみられるようになってきたが、医療荒廃の原因は失政の結果であったことを認めようとはしていないし、将来の医師養成数は減少させていくという国の大前提はまだ変わっていない。
ともあれ、今回の定員増で秋田大医学部医学科の定員は110人となった。大学は本県の地域医療を支える医師の育成に努めてもらいたいし、一人でも多くの卒業生の県内定着を促す努力もして欲しい。医師会は勿論のこと、秋田県のすべての医療機関は協力を惜しまないだろう。
11/18(土)雨 病棟拘束 歯治療 中通高等看護学院同窓会
2:00起床、ドック判定総括x1、他.5:15Taxi病院着。6:10回診他、書類処理。8:30救急カンファ。15:00-16:00歯治療。18:00-20:30中通高等看護学院同窓会。20:30帰宅、21:30就寝。
医師不足対策(16)秋田大医学部の入学定員10人増員される
秋大医学部の入学定員100名のうち、5人が地域枠であった。
更に、当面10年間の限定措置であるが、来年度から10人の増員が認められ、定員が110人となることになった。
今回の定員増は、昨年8月に政府が定めた「新医師確保総合対策」に基づいた措置で、医師不足のために地域医療の維持が困難になっている状況の解消、改善を図るため、秋田を含む医師不足が深刻な10県と自治医大の医学部の定員増を認めたものである。
「医師不足県」として、青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の10県を認めた。宮城以外の東北5県が入っていることは注目すべきである。
今回の措置の選定基準として、政府は、第一の基準を「2004年度における人口10万人にたいする医師数200人未満」とした。この基準では、10県以外に茨城、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知の六県も含まれるが、この六県は除外された。これらの地域は都市圏、あるいは首都周辺の自治体で、印象として医師不足状態にあるとは思えない県である。ここでは人口比にすれば医師数は少ないが、医師の絶対数は少なくない。そのために、「100平方Kmあたりの医師数60人以上の県を除外」という、もう一つの選定基準で除外された。
秋田県に認められた10人の定員増の内訳は、県内高校生を対象とした「県地域枠」5人と、県外出身者を対象とした「全国地域枠」5人で、いずれも卒業後は県内病院での勤務を前提としている。だから、全国地域枠も含めると、毎年15人が県内にとどまる事となり、長期的にみれば本県の医師不足解消につながる、と期待される。
県では当然、県南、県北の病院の医師不足解消に期待していると思われるが、残念ながら即効性はない。来年度の入学者は卒業までに6年、初期研修期間2年、その後2年ほどは研修を積んでいなければ地域の医療は担えない。息の長い計画である。
秋田県の医師不足に一つの対策が実行に移される事になった。
しかし、問題はこの措置が実効性が発揮されてくる約10年間の間、秋田県の医療をどう維持し、改善していくか、である。
このニュースの後も、県内の医療供給体制は徐々に悪化の傾向をたどっている。
11/16(金)曇り 外来代診 ドック診察 秋田市救急隊とのカンファレンス+情報交換会
2:00起床、ドック総括x1.紹介状、徒然。5:15病院着。6:20回診他、8:00救急カンファ。8:45-12:20外来代診。14:00ドック診察x5。入院患者対応。18:00-21:20中通総合病院と秋田市救急隊とのカンファレンス(弥高会館)+情報交換会。総評を担当。21:45Taxi帰宅、夕食、21:30就寝。
もっと知られて良い、高齢者入浴中急死 全国で年間14.000人死亡
本日は病院と秋田市救急隊とのカンファレンスであった。待ち時間の間に、去る9月中旬に開催された秋田市救急医療協議会の資料を見直した。この時の話題は救急隊の活動報告、国体の救急体制についてであったが、高齢者の入浴中の急死についての重要性についての話題提供があった。
入浴中の事故については、私も経験があり人ごとでない。私が高校生の頃、入浴中の祖母が浴槽にもたれたまま意識を失ってているのを見つけた。幸い、浴槽に沈んでいなかったために大事には至らなかった。原因は木炭による一酸化炭素中毒だった。まず火を消し、湯を抜き、家族4、5人総掛かりで祖母を風呂から出そうとしたが、当時は今の浴槽と違い、風呂桶と言われるだけに縦型で深かった。意識を失った人間は実に重い。身体は濡れて滑る、重い、掴み所が無く、ブヨブヨで風呂から出すのに実に大変であった。シーツや毛布を巻いたり工夫してもなかなか出せない。そのうちに少しずつ意識が戻ってきたから何とか担ぎ出せたように記憶している。
私自身も入浴中に睡魔に襲われハッとしたことも何度かある。
わが国の3大死因は、悪性腫瘍、心疾患、脳血管障害であるが、高齢者では肺炎、不慮の事故が続く。
不慮の事故と言えば、交通事故が第一に連想されるが、大半が交通事故以外で、その中でも家庭内での溺水・溺死の増加が目立っている。欧米各国と比べても、わが国における入浴中の溺死は取りわけ多いとされる。欧米では身体の清潔保持目的に入浴するのに対し、我が国では入浴を楽しむというと言う文化的背景がその差の原因になっているようで、ゆっくり入っていてもあまり疑問に思われないから発見が遅れる。浴室は住宅の中では死角区域である。
東京消防庁管内で発生した事故の調査結果に基づいて、全国での入浴中急死例の推計を行った結果、平成11年度の全国の入浴中急死は、約14,000人と算出された、と言う。高齢者の交通事故死の数倍である。
秋田市救急隊が扱った入浴中の事故例は本年度半年間で32例に達し、既に過去3年の実績を越えている。浴槽内で水没して心肺停止状態に至った例に救命成功例はない。
以上のことから、秋田市消防所は市の広報で高齢者の入浴事故を予防するために、メッセージを市民へ提供する事になっているとのことである。だからこれ以上詳細を記載すると越権行為になるのでここまでとする。
私は注意喚起だけでは不十分で、浴室にインターフォンを付けるとか、住宅設備の面で異常感知センサー付きの安全浴槽、浴室の開発も必要と考えている。
11/15(木)雨・曇り 外来
1:30起床。ドック判定総括x2。徒然ほか.5:10Taxi出勤、6:20回診他。8:00救急カンファ、8:45-14:30外来、混雑。本日は対外的予定なし。紹介状他書類作成。19:30-20:30医師面談。21:20帰宅、夕食、22:00就寝。
侮れないネコ咬傷(2) 私も危ない状態にいる
一昨日、医局の「公開メディカルカンファレンス」で整形外科科長から「手の感染症」として外傷性感染症の幾つかが紹介された。その中で「ネコ咬傷」は見た目よりも重症化しやすく、十分な治療が必要なのだという。時に手の機能に重大な障害を残すことにもなりうる、とのことであった。これは私に大きなインパクトがあった。ここ2年間、私の手にもネコひっかき傷、咬み傷が絶えないからである。
今、私は2.5匹のネコと同居している。17歳ほどのナンナン、賄いの石井さんの飼い猫で我が家にとっては通いネコのミーシャ、乱暴者の2歳半の黒猫「結(ユウ)」である。
私にとって3代目になるこの黒猫によって、私のネコに対するイメージが一新した。2005年6月に横浜で拾われ、秋田に移送されて、我が家の3匹目のネコとなった。手のひらに乗るミニサイズで足腰もまだ定まらず、あどけない表情で臆病者のであった黒チビは今や体重5Kg、しっぽをピンと伸ばすとゆうに60cmほどにもなる巨大ネコに成長した。
問題はその性格で、どう猛である。撫でようと不用意に手を出すと囓りつき、更に四肢の爪でひっかく。甘囓り等というレベルを超え、結構容赦のない強さで、私はみみずばれだけでなく時に出血する程度の傷も負う。勿論、私の方でもそうはさせんと対応のし方をいろいろ工夫している。そうでなければ危ない。拾われるまでのわずかな間に、生きる術として身に付いた性格、行動に由来しているのだろうと思う。不憫でもあり、囓られても憎めない。
今、2歳半である。若干乱暴さは改善しつつあるように思うが、まだまだ油断できない。一昨日の講義の後、甘く考えては危険である、と考え直した。不用意に傷を受けないよう一層気をつけることにした。
願いは、「結(ユウ)」が歳と共にもっと温和しくなって欲しいことである。
11/14(水) 曇り 外来 ドック診察 県感染症評価会議 医療行政懇談会+情報交換会
2:00起床,ドック判定総括x1.5:10病院着。6:20回診他病棟業務、8:00救急カンファ、8:45-13:20外来+ドック診察。14:00-14:30県感染症評価会議。15:30-17:30医療行政懇談会。17:30情報交換会。19:00中座し病院へ。20:30Taxi帰宅、21;10就寝。
侮れないネコ咬傷(1) 知らなかった私は噛んだネコと同じだ
最近、ペットを飼うことが一層増えているようだ。早朝5:00am出勤時、約5Kmの道すがら3-5人ほどの犬の散歩の方々を見る。徐々に増えているようだし、かつてより犬も小型化しているようだ。早朝の散歩、大変ご苦労なことである。
ネコを飼っている人達も多分増えているだろうがそれは実感できない。ただ、私が担当する外来に通院している患者のうち20数人は飼っているのが分かっている。この方々は手指の引っ掻き傷をみて私から話題にし、ネコを飼っていることを確認した方々である。だから、実際はもっとおられるのだろうが、分からない。
犬・ネコにかまれて救急外来を受診する方も少なくない。犬・ネコとも口の中には好気性・嫌気性細菌が多数常在しているからこれらの菌による創感染が多い。戸田細菌学32版で調べると代表的な菌は「パスツレラ・マルトシダ」と言う私には全く馴染みのなかった細菌で、四肢等の咬傷では2〜5%の感染率とされているが,手の場合は30%と感染率が高いのだ、という。
犬による咬傷は大怪我のことも少なくないが、ネコの場合は咬力がそれほどなく組織の損傷はひどくないが,牙が細く鋭いので,創は小さいものの,容易に深く関節や骨まで達して感染することがある。起炎菌の種類は犬咬傷と同様であるが、ネコの場合は感染率が犬の場合より高く、30〜50%とされている。
昨日、当院医局の「公開メディカルカンファレンス」が行われたが、その時の一演題として整形外科科長から「手の感染症」として外傷性感染症の幾つかが紹介された。
手指の感染症は軟部組織が少ないために局所症状は軽いのが特徴で、検査でも異常値を呈することが少ないのだという。そのため、折角治療を受けながらも軽視され、治療が不十分で、深部構造に感染が及び広範な切開、洗浄等が必要となり、結果的に機能障害を残すことになるのだ、と強調し、治療医にももっと分かって欲しい、事も強調していた。
科長によると、ネコ咬傷は初診の段階から切開による開創、強力な洗浄、十分な抗生剤の投与、手の安静、冷却等が必要なのだという。
私はネコ咬傷の治療の重要性を昨日初めて知る事が出来た。多分、私も軽く考えて治療をしていたかも知れない。知識の乏しい医師は時には加害者の立場にもなりうることを実感して、緊張した。
11/13(火) 曇り 外来 法人常務会 公開医局カンファレンス
2:00起床,日医書類処理他、5:15病院着.6:20回診、8:00救急カンファ、8:45-14:00外来、混雑。14:45-16:00法人常務会、18:30公開医局カンファレンス。21:20帰宅。22;00就寝.
ノロ対策の季節 次亜塩素酸ソーダの代用品はない
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が多発する季節になってきた。
特に、虚弱な方々の収容施設、病院、老人保健施設、老人ホーム、幼稚園、障害者施施設等にとってノロウイルスは感染力が強いだけに頭の痛い問題である。当院でも感染制御部が頻回に院内学習会を開催し、院内各所に注意のポスター、トイレには手洗いのガイドを張って啓蒙に必死である。県医師会でも「ノロウイルス感染対策相談室」を開設し、主として私が担当して対応している。今年はまだ集団感染は県内で生じていないために平穏であり、4件の相談があっただけである。昨年は感染が各所で生じ始めていたために設置初日から一気に10数件の相談が集中し、私の診療業務にも支障が出たほどであった。
ノロウイルス感染に対しての防御のコツは「手洗い」と「消毒」に尽きるがノロウイルスはエタノール、逆性には漂白剤として石ケン等の一般の消毒剤、洗浄剤では効果が乏しく、液体石鹸による入念な手洗いがまず基本である。消毒に関しては「加熱」と「次亜塩素酸ソーダ」が基本という事になる。
加熱は85℃1分以上は必要である。
「次亜塩素酸ソーダ」は一般家庭用では漂白剤として結構普及している。これを一定の基準に薄めて消毒剤として用いる。ところが施設等では収容者の安全のためにも結構取り扱いに注意が必要であり、独特の臭いがあることもあって、他の簡便な方法を模索しているようで、消毒剤に対する質問は結構多い。
「安定化二酸化塩素」は強力な消毒効果を持つが、取り扱いが大変であった。この二酸化塩素をアルカリ剤に溶存させる方法が開発されてから取り扱いが簡便となり消毒剤、消臭、防腐剤として流通している。スプレー剤もあるのが魅力の一つであろう。
この「安定化二酸化塩素剤」をノロウイルスの殺菌剤としてどうか、と言う質問は数件ある。確かに、製品を販売している会社のホームページ等にはノロウイルスに対する効用も記載がある。しかし、私が文献等から調べた範囲では客観的な評価は今のところ疑問である。厚労省のノロ対策ガイドラインの消毒の項にも消毒剤としては「次亜塩素酸ソーダ」一剤だけである。
だから、この件についての私の説明は「安定化二酸化塩素剤は客観的データがないために代用品としての使用はお勧めできない」である。
一方、「次亜塩素酸ソーダ」を薄めて手指の消毒に用いているとか、室内に噴霧していると言った誤った使い方をしている施設もあり、適正な使用をお教えした。
11/12(月)早朝雷雨 管理会議 外来 長副会議
2:10起床、ドック判定総括x1、徒然、その他。5:10病院着。6:15回診他。書類書き、7:45管理会議。8:45-13:30外来。16:00療養入棟判定会議は対象患者無し。17:00-20:00長副会議。21:00帰宅、夕食、21;40就寝。
早朝出勤時、酒気帯び運転と判定される可能性
最近、夜の会合が若干多い。先週は、■秋田市医師会と市内4病院院長懇談会、■保健所立ち入り検査準備打ち上げ慰労会、■看護活動交流集会実行委員会慰労会があった。今週は、■医療行政懇談会、■救急隊との合同カンファ、が予定されている。懇談とか協議は勿論酒抜きで行われるが、その後の懇談の場には酒が出される。私はこの風習を決して悪いものとは思っていない。近年、会費制の会が増えてきているのも良い傾向だと思う。
ただ、私は直ぐに酔うのであまり飲めないし、酔うとてきめん眠くなる。可能な状況であれば20:00過ぎに中座して帰宅する。時に、中締めの挨拶など割り当てられ中座できないこともあるが、これは辛い。帰宅は勿論、タクシーである。
多くは車を病院に置いたままなので翌朝はタクシー出勤となる。自宅からタクシーに乗るときは20数年来同じ会社を利用している。今朝のタクシーでの話。
その会社では運転手の就業規則で乗務開始時間前の8時間は飲酒が禁止されており、さらに出勤時にアルコール検知器に息を吹き込み、チェックしなければならないという。8時間では検知される運転手がおり、随分個人差が大きいものだと言っていた。語った運転手は深酒でなければ8時間で大丈夫なのだそうだ。アルコールが検知されれば、当然乗務は禁止され、仮眠室で数時間休ませられ、再検知を受けてOKが出た時点で帰宅が許されるのだと言う。一回目は注意勧告、二回目は厳重注意、三度なら退職勧奨と厳しい。
2-3週間前に全日空のパイロットが乗務前の10時間前に飲酒したことが報じられていたが、交通業界ではなかなか厳しい管理がなされているものだと感心した。
飲酒の翌早朝、自分の車で出勤する際には、8時間経っていないことも希ではない。だから、私もチェックに引っかかる可能性があることになる。翌朝のことを考え、私も心しなければなるまい。
11/11(日)曇り 病棟拘束
2:00起床.ドック判定総括x1。6:05こまちで上京の家内を駅に送りそのまま病院。8:30救急カンファ。患者関連書類処理、雑誌整理ほか業務。室内足下の書類がかなり整理でき、広くなった。病棟患者対応数件。19:30帰宅。夕食、20:45就寝。
最近、めっきり冷えて風邪がはやり始めた、という香港
数日前の出勤時の5:10amころのNHKラジオで、世界各地のちょっとしたニュース・話題を紹介していた。香港からの話題では「最近、めっきり冷えて風邪がかなりはやり始めた。住民はいろいろ寒さを防ぐ様な生活に入った」と報じていた。
まさか、そんな。香港は日本よりずっと南だし、ずっと暖かいはずだ、もしかすると異常気象か? で、聞いていると、別に異常気象というわけでなく例年並みとのことで、香港の最近の最低気温は大体20℃前後なのだそうだ。こんな状況なのに香港の特派員は真面目に住民生活の話題としてまとめていた。
最低気温が20℃前後というのは秋田では9月の気温でとても快適な時期である。にもかかわらず、香港の人達にとっては「めっきり冷えて・・・」と言う表現をしたくなる感覚なのだろう。本当に気温一つをとっても人の感覚は相対的なものだと思う。今の時期、秋田の気温は日中10-14℃程度であるが、まだ、「めっきり冷えて・・・」と表現する方は殆どいない。
相対的、という見方で考えるとより寒い地区に暮らしている私どもからみればこのニュースは半ば笑い話に過ぎない。しかし、その地域に居住している方々にしてみれば他と比較してもどうしようもない絶対的な感覚で、真剣にそう感じているのだろう。
相対と絶対、真面目に考えれば難しい言葉になってしまうが、こんな事の理解のために用いるならば気軽で良い単語である。
今朝の5:05am頃には、プロ野球のアジア・ナンバーワンチームを決める「コナミカップ・アジアシリーズ2007」のニュースでアナウンサーが最初に「中国が優勝」と読み上げてビックリした。勿論、中日のことである。訂正は入らなかった。
11/10(土)晴れ 病棟拘束 ドック結果説明x2 入院患者家族面談 看護・介護活動交流集会基調講演+慰労会
2:00起床、ドック判定総括x1、講演準備。5:20病院着、6:30回診他、8:30救急カンファ。9:00ドック結果説明x2。10:00病棟患者不調で家族面談。13:00-14:25秋田民医連看護・介護活動交流集会基調講演。14:50散髪。18:00-19:50慰労会。20:15帰宅、20:30就寝。
国民医療費(5)医師・看護師等の医療関係者の労働条件はなぜ劣悪なのか(2)
本日、秋田民医連第29回看護・介護活動交流集会で基調講演を行った。「看護師に期待するもの---60年のふれ合いを通じて」、と題したが、主たる内容はわが国の医療行政の変遷、特に低医療費政策の問題点を中心に述べた。
まず最初に、私どもが置かれている労働環境、賃金等は国際的レベルでも、地域近隣の医療機関に比較しても厳しい状態にあり、決して恵まれていない、という現実を認めたうえで、■その背景因子は何処にあるのか、■それを打破するのに今何をすべきか、■日本の医療の環境をよくしていくためには何をすべきか、の3点について話を構築した。
私は労働組合の活動を否定する者ではなく、ドンドンと活動して欲しいと思っているが、春闘、秋闘の時期になると労働環境の是正を求めて法人内各院所、各職場からも理事会に対してクレーム文のビラが並ぶようになる。院長を直接誹謗したビラがいつ出て来るか、と私は些か心配である。これも組合の戦法の一つではあろうが、問題点の背景を十分に組合員に徹底した上でなければ、問題点を矮小化してしまう事になる。私はいつもその点を気に病んでいる。
その面を意識して話題を構成したが、出席した看護師達に医療行政や医療情勢の理解に役だったのではないかと思われる。貯水出来ていないダムからの放水を求めても不可能であり、せいぜい蛇口レベルの調整しかできないことを例に挙げ、今やるべきは厳しい医療行政の中でわれわれが如何に変容し、効率的医療を通じて病院運営を盤石化するかにある事を強調した。
また、院長としてこの病院を「働きがいを感じることの出来る病院、働いて良かったとみんなが感じることの出来る病院」にすることを第一の目標に掲げ、自身のスローガンを「すべて患者のために、すべて職員のために」にしていることも紹介した。
最終的に、医療環境は医療行政の行き方の影響をモロに受ける。従って、政治のあり方、医療行政のあり方をただ見ているだけでは決して医療環境は良くならないこと、闘う医療人でなければならないこと、自分たちの生活は自ら守るべきことも強調した。
最後は時間が押してきておりじっくりと感想は述べられなかったが、今年8月の入院経験から私自身が学んだこと、感じたことを紹介し、感謝も述べた。
予定時間を5分超過して講演を終えたが、看護師の方々は時に頷き、時に笑い、反応はとても良かった。話しながら私自身が元気を貰ってしまった。
11/9(金)曇り→晴れ 患者家族面談x4 ドック結果説明+面談診察 法人理事会
2:00起床。ドック判定総括x1。徒然。5:10病院着、6:20回診他、8:00救急カンファレンス。10:00-11:30患者家族面談x4。13:30ドック総括説明x1+面談診察x5。、17:30-19:30法人理事会。20:45帰宅、21:15就寝。
国民医療費(4)医師・看護師等の医療関係者の労働条件はなぜ劣悪なのか(1)
明日11月10日は秋田民医連の第29回看護・介護活動交流集会である。私が基調講演をすることになっており、今準備中である。演題は「看護師に期待するもの---60年のふれ合いを通じて」、と題した。
スケジュール的には窮屈であったが、院長として職員との対話の機会が少ない事を気に病んでいた事もあり、貴重な機会なので準備のための隙間を無理矢理作って何とかやりくりすることとし引き受けた。
演題名を求められたときにはまだ内容など一切考えられない状況であり、苦し紛れに思いついたのが上記の演題であったが、「ふれ合い60年」と言うような題を思いつく年になったものだと感無量でもある。と言っても特別に濃厚なふれ合いは一切ない。
私は岩手県の片田舎の開業医の孫として生まれたために、身近には常に若い看護師見習いが数人おり、母も看護師の助手的立場で働いていた。だから、ふれ合い60年と言うことである。
医師としては、宮古病院(2年)、秋大附属病院(13年)、明和会(18年)で、働いた。時代と共に看護業務は徐々に変わってきたが、看護集団としては各々の医療機関毎に大きな特徴があった。
看護教育として宮古病院看護学校、秋田県立衛生看護学校、秋大付属看護学校、中通高等看護学院で教壇に立った。
看護の環境作りの面では、明和会に赴任直後から3-4年間、法人の看護委員会の委員になった。当時、ナースキャップは止めよう、患者からの雑用は排除すべき・・などいろいろ提言したが、当時の看護師達には受け入れられず、そのうちに委員会を外され、委員会自体も消滅したらしい。日本医師会医療関係者検討委員会委員を1998年から6年間担当し、主に日本の医療の中における看護師、准看護師の立場や育成はどうあるべきかを論じていた。
2005年9月から、院長を拝命し現在に至っているが、厳しい医療情勢の中、病院運営を盤石にし、生じた余力は職員に還元するという視点で「すべて患者のために、すべて職員のために」を私自身のスローガンとしてやってきている。なかなか、うまく事は運ばない。これが今の私にとって最大の悩みとなっている。
本日の話の展開は以下の如くに進める予定であるが、矢張り準備時間は足りなかった。スムーズに言葉が出てくるか、些か心配である。
■厳しい当院の看護師の労働条件 ■悪いのは「院長」か?「理事会」か? ■日本の医療の国際的評価 ■日本の医療の現実 ■中通総合病院の現実 ■21世紀の医療機関として求められる変容 ■看護師に期待するもの ■
8月の入院経験から学んだこと
11/8(木)雨 外来 保健所立ち入り検査 慰労会
2:20起床。ドック総括、徒然。5:10病院着、6:20回診他。8:00救急カンファ。8:45-12:50外来。13:00-17:00秋田市保健所立ち入り検査。講評は好評で指摘事項はなく安堵した。今回の準備はいつもより一層徹底していたように思われた。18:00-19:20慰労会に出席、中座し業務。21:00Taxi帰宅.夕食、21:30就寝.
国民医療費(3)「混合診禁止」は違法(2) 「裁判は所詮後ろ向き判断」だけさ
公的健康保険の支払い対象となっていない特別な治療を希望する一部の患者にとって混合診療禁止の壁は確かに厚く、大きい。一般的に混合診療はあまり知られていない。通常の診療の範囲ならばほぼ100%健康保険の範囲で受けることが出来るからである。一般の方々にとって、知る機会もそうあるわけでない。
日本の公的健康保険では公平性、患者の安全性を維持する目的もあって自己負担の診療を併用することは原則禁止されている。併用すれば本来なら保険診療で支払われる検査や手術、投薬、入院料までも全額自己負担となる仕組みになっている。国は「保険外併用療養費」制度も導入し、例外的に先進医療や医薬品の治験などの一部で自由診療の併用を認めている。未承認薬や先端医療を希望する一部の患者、新たな消費市場を開拓しようとしている経済界からは混合診療を求める声も上がっている。日本医師会は国民皆保険制度の堅持とレベル向上のために混合診療の導入を強く反対している。
昭和30年半ばの国民皆保険制度導入以降、現在まで上記の如くの原則で行われてきたが、去る11月7日「混合診療」禁止は違法、との判断が下された。これは大きい。ただ、定塚誠裁判長はこの判決はあくまで法の解釈上からの判断であり、この判断が混合診療の容認をしたのではない、とも述べ、混合診療の全面解禁の是非については踏み込まなかった。この判決はあまりにも表層的である。
いろいろな裁判を報道資料で見ると、根本的問題に踏み込まない表層的判断が多い。医療事故の裁判の大部分がそうである。医療事故は個人的な背景も勿論否定できないが、判断ミスを犯した背景、労務環境、人手不足、勤務状態などが背景になっている。裁判でこのような背景が指摘され、そちらの方に裁断を同時に下していたなら、医療事故の積み重ねを通じて日本の医療は遙かに良くなっていただろう。
医療裁判の最終判断は「誰が、何所で、何をしたか」だけを問い、個人を対象に裁断を下す。その背景因子には簡単に言及するだけで終了している。
裁判官の仕事は後ろ向きである。今まで類似の判例があるか否かだけである。世の中、社会の変化には目を向けない。彼らの生活など知る事は出来ないから憶測してしまう事になるが、彼らは終日、世の中から隔絶された裁判所の中で判例集と六法全書の勉強と調査に明け暮れ、判決文の作文をしているのではないだろうか。
医療事故は警察、検察、裁判所にとっても重荷だろうと思う。しかし、検察は最近医療を学ぶために大学医学部や病院の見学などを始めている。日常の医療の現場の様子を学ぶためである。救急室、手術室などで展開される緊張感を是非みて欲しいし、生涯学習の現場もみて欲しいものである。
こんな試みが始まっているが、意外と弁護士、裁判官は動きが鈍い。むしろ、医療現場とは一定の距離を保とうとしているようにも見受けられる。法律家というのは、私にとって理解しがたい不思議な群団である。
11/7(水)曇り 外来+ドック診察・説明 県医師会常任理事会
2:30起床、若干酔い残っている。ドック総括他いつもの如く。5:10Taxi病院着、6:10回診他、8:00救急カンファ。8:45-14:30外来+外来+ドック診察・説明。17:00県医師会。17:30-19:00常任理事会。21:30帰宅。22:00就寝。昨年、外来オーダリング開始初日。大変であったがもう欠くことは出来ない。
国民医療費(2)「混合診療」禁止は違法、東京地裁の判決に絶句
健康保険と保険外診療を併用する「混合診療」は保険診療上で原則的に禁止されており、併用した場合には全額患者負担になるように運用されている。しかし、昨日、混合診療を原則禁止している国の政策について、「法的な根拠はない」とし、患者に保険の受給権があることを認め、国側敗訴の判決を言い渡した。これも驚くべきニュースである。
日本の健康保険制度の前提となってきた「混合診療の原則禁止」を違法とした初の司法判断で、厚労省は今後、混合診療のあり方について、抜本的な議論を迫られそうだ。
原告は腎臓がんに罹患した方で、2001年から保険診療の「インターフェロン療法」と、自由診療の「活性化自己リンパ球移入療法」を併用していたが、2005年病院から混合診療にあたるので続けられない、と告げられた。自由診療の併用で保険診療分まで認められなくなるのは不当であり、患者には混合診療を受ける権利があると訴えたもので、「混合診療の原則禁止」に法的な根拠があるかどうかが争点となった。
判決は、保険を適用するかどうかは個別の診療行為ごとに判断すべきで、併用しても本来保険が使える診療分まで自己負担にすると言うことに法的根拠はない、とした。
一方、国側は、混合診療ができるケースも健康保険法で例外的に定めているが、それにはこの治療法は認められていない、と主張したが、判決では、例外以外をすべて排除してよい、と解釈できる法的条項はない、とした。
ただ、この判決はあくまで法の解釈上の判断であり、この判断が混合診療の容認をしたのではない、とも述べ、混合診療の全面解禁の是非については踏み込まなかった。
一部別物を上乗せしたからと言って、全体を否定することには法的根拠はない、と言いながら、上乗せして良いか否かは司法の判断では出来ないと言う、よく解らない判決である。原告の方はこの判決後、自由診療分を続けられるのだろうか?明快でない。ただ、その際に保険診療分は保険で支払われることにはなるだろう。
何れにしろ、国民皆保険という世界に類をみない、わが国独自の保険制度の根幹を揺るがしうる判決であることは間違いない。一時治まりかけていた医療経済の面からの混合診療の導入論争が再び沸き出す可能性が強まった。
11/6(火)曇り 外来+ドック説明 法人常務会 秋田市医師会と4病院長の懇談会
2:10起床,ドック判定x1ほか。5:10病院着.6:10回診他。8:00救急カンファ。8:45-13:30外来+ドック説明。新入院対応。14:45-15:30法人常務会。17:30医局会。18:30-21:20秋田市医師会と4病院長の懇談会(三四郎)。22:00帰宅、夕食。22:30就寝。
国民医療費(1)財務省の次回診療報酬試算マイナス3.6%減の提示に絶句
最近各地で医療崩壊が進み、国民は居住区によっては健康に生活する権利、医療を受ける権利すら奪われている。国はこの面の責務を果たすべきである。医療関係者、特に病院のは限界近くまで疲弊しきっている。
日本医師会は過去からの低医療費政策、厳しい診療報酬のマイナス改定で医療崩壊が現実化し、これを是正するには医療費の増額が必要と来年度の診療報酬を5.7%の増額を要求している。
一方、財務省は少子高齢化に伴って増え続ける社会保障関係費を確実に圧縮達成するには、医療分野の見直しは不可欠、としてきたが、11月5日、医師の技術料など診療報酬について、まだ3.6%の削減余地があるとの試算を財政制度等審議会に示した。委員は国民負担軽減のため診療報酬本体の引き下げが必要との認識で一致、今月まとめる建議に盛り込む、と言う。
本日、このニュースがメディファックス紙を通じて配信されたが、私はこれを見て絶句、に近い衝撃を受けた。これでは病院運営が一層困難になっていく。秋田県の医療情勢、特に県北、県南地区は、一層悪くなる。当然、私どもの病院も大きな影響を受ける。
本年春に発表された病院運営実態分析調査では2006年度の病院の運営状況調査では、総収支差額で赤字を呈した病院は全体の72.8%で、設立母体別に見ると、自治体病院の90.7%、公的病院の59.6%、私立病院の47.3%が赤字である。自治体病院は経営自体に検討すべき問題が内在しているとされるが、ギリギリのスリム化、経営の合理化を行いながら運営している公的病院、私立病院の約半数が赤字だというような状況は健康的な医療行政とは言えない。
こんな状況を財務省は何と考えているのか?医療の実態、実情を、国民の医療を受ける権利が侵害されていることを知らない連中が出てきた数値だけを問題にすればこうなることは予想できるが、そのまま実践するなら政治などいらないのだ。
われわれにとって最大の敵は財務省にある。今後、厚労省がどれだけ頑ばれるか、首相がどう政治判断を行うのか、であるが、その間医師会がどうアクションするかも問われよう。
11/5(月)晴れ 管理会議 秋大外科訪問 院内巡回 医学生来訪歓談 療養入棟判定会議 長副会議
1:30起床、ドック判定総括x1、他。5:15病院着、事務処理,6:30回診.7:45-8:30管理会議.10:00秋大外科訪問、11:00-12:00安全管理者、感染制御部、事務長と保健所立ち入り検査に向けた院内巡視。14:30医学生2名来訪。16:00-16:45療養病棟判定会議。17:00-19:45長副会議。20:50帰宅、夕食、21:30就寝。
福田首相の連立提案以上に、小沢代表の辞任劇に驚く
2回の党首会談で自民党からの連立提案、または政策協議に前向きの姿勢であったらしい小沢一郎代表の考え方はその夜の民主党の役員会から一蹴されたとのことである。このことは事実上、代表として不信任されたと同じ、として小沢代表は辞意表明の記者会見を強行した。
最近、大物の辞任表明が目立つ。二大政党の両党首が、であり、ひたすら驚くばかりである。
結果的にこの辞任表明で民主党は大揺れである。執行部は必死に慰留につとめており、小沢氏も若干軟化の兆しを見せているらしい。
小沢氏は政権交代を最大の目標にかかげてやってきたし、それが今一歩のところまで到達しているというのに、会見の中で「民主党は政権担当能力がない」と党を批判したのは、例え辞任を決意していたとしても、極めて拙かった。絶対に言うべき言葉でなかった。多分、第二党としての責任を考えずにガチガチの論理に固執する執行部に対する批判なのだろうが、それでも拙い。場合によっては離党せざるを得ない話にまで発展しかねない禁忌的言葉であった。
民主党は小沢を欠いては顔となる人材がいない。菅氏、鳩山氏・・と何人かはあげられるが、小沢あっての彼らだけに小沢代表がおりたら党は迷走する事となり、国民の期待感は急速に萎えていくだろう。小沢氏と距離を置く立場の党員からは小沢氏を見切っているような発言が聞かれるが、民主党の足下自体揺らぎかけない重大事態である。参議院で第一党という今の機会を得る事が出来たのだから政権交代も夢ではない。この機会を失えば、再び政権に挑戦する機会が来るとは限らない。今こそ一枚板にならなくては、と思う・
小沢代表の辞任表明自体でも、かなり国民の支持を失う事になったのではなかろうか。その責を負いながら、党を立て直せるのは小沢しかいない、と私は思う。
11/4(日)晴れ 病棟拘束
1:30起床.ドック判定総括x2.
HP関連作文、英文校正など多数処理。10:00漢方勉強会出席の家内をジョイナスに送り病院。以降ずっと病院。連休はずっと書類処理に費やす。18:00家内を拾って帰宅、ドック判定総括x2、夕食若干、20:30就寝。
落合監督の采配以上に驚いた 福田首相の小沢代表への連立提案
福田首相と民主党の小沢代表は2日午後、国会内で2度目の党首会談を行った。
この場で首相は連立政権樹立に向け協議することを提案。いつもの小沢氏ならば直接はねつけるべきはずの提案であろうが、彼は何故か回答を保留し持ち帰った。しかし、民主党は役員会で、国民の理解を得られないとして提案を拒否する方針を決定、小沢氏は電話で首相に伝え、この提案は消滅することとなった。
民主党が今回連立をはっきりと断ったと言うことを介して、今後、両党はむしろ政策の擦り合わせが困難になって対立が明確化する可能性もあり、福田首相の政権運営は厳しさを増すのかもしれない。
小沢氏は常日頃、対話は公開の席で、と言っていた。実際に安倍総理の最後の場面での党首会談の申し出は断っており、安倍総理はそこで自ら限界を悟って退陣表明をした。
今回は2回にわたって二人だけの党首会談に臨んだ。このことも批判されているが、首相からの対話要請を重く受け止めたのだろうし、これは党首として当然のことである。政治が話し合いを欠いたら全てが数の論理となり、全てが停滞する。何故2回も続けて?と言う疑問も持ったが、話題が連立の件とは意外であった。私の乏しい知識の中で連立は通常は第1党と少数党との間で行われるものであって、平時において第1、第2党による連立構想がはっきりと話題になった事は初めてである
小沢氏が連立を直ちに拒否しなかったのは何故だろうか?このことでも彼の求心力が低下するのは必至と言われているが、私は党の話し合いの場を通過させたことに問題はないと考える。
衆参のねじれは密室の党首会談などでなく、あくまでも選挙で解消するべきだ、と言う論理もある。正論であるがそれにこだわっていたら次の選挙まで国会審議は停滞するし、総選挙で再度自民党が優勢だったら、さらに長期間ねじれることになる。
政治を政党間の問題に矮小化してはならない。主役は国民である。「すべてを国民のために、すべては国民のために」の視点が欲しい。そのために政策の擦り合わせを行って欲しい。
医療行政の分野でも難問が山積みである。
11/3(土)文化の日 雨 病棟拘束
患者家族面談 魁新聞記者来訪
1:00起床、ドック判定総括x2、徒然、講演準備など。9:30国際交流大会出席の家内をAlveに送り病院。10:00-11:00患者家族面談。11:00-12:00魁新聞記者取材「今年のインフルエンザ」。業務処理、16:30帰宅。ドック判定総括x2、日医英文投稿文校正など。19:30夕食、22:30就寝。
落合監督の采配におどろく
11月1日帰路、カーラジオで日本シリーズ第5戦の中日/日本ハム戦を中継していた。
終盤8回あたりである。1-0で中日がリード。日ハムはダルビッシュで好投中、中日の山井投手は私が初めて聞く名前である。山井投手はここまで打者24人全員を完全に押さえていた。9回表日ハムはダルビッシュを交代させたが、9回裏で落合監督は日本シリーズで史上初の大記録となる完全試合達成を目前にしている山井投手の交代を告げた。その瞬間、球場が異様な雰囲気になった様な感じが聞き取れた。
その後、試合は淡々と進み、結果として岩瀬投手が3人で押さえたから二人の継投で完全試合と言う記録を達成し、中日が優勝した。
続投させたかったが、山井投手が自ら限界と告げた、と監督はその後何かで語ったと言う。そうであればやむを得なかったのだろうが、実況を聞いていた最中ではそんなことは知り得ず、勝負の世界とはいえ、しかも50年ぶりの優勝がかかっている試合とはいえ、随分非情なものだと感じていた。
山井投手に完全試合へのチャレンジをさせて、走者を出した時点での交代でも良かったのではないだろうか?その際の最悪のコースはホームランが一本跳びだし試合が振り出しに戻る事であるが、その可能性は極めて小さいのではなかっただろうか、と野球に詳しくない私は思う。たぶん、これが誰もが考える当たり前の考えだろう。私にはそのような発想しか出来ない。
恐らく、落合監督の采配はその是非をめぐって、非情か否かの評価をめぐって末永く語り継がれるだろう。
11/2(金)曇り 対策委員会
1:30起床,ドック判定総括x2、関連書類他。5:10病院、8:00救急カンファ。11:00回診、入院患者対応。17:00-18:00対策委員会。20:40帰宅、夕食、21:30就寝。終日、院内で机上処理、かなり消化した。
がん診療連携拠点病院(8) 新たに3病院を推薦 秋田地区は秋田赤十字病院
秋田県では昨年の10月31日、全県の中核となる都道府県がん診療連携拠点病院として「秋田大医学部付属病院」を、地域がん診療連携拠点病院として「由利本荘市の「由利組合総合病院」、大仙市の「仙北組合総合病院」、横手市の「平鹿組合総合病院」を推薦し、それぞれ認定されている。秋田周辺医療圏については、「秋田赤十字病院」、「市立秋田総合病院」、「秋田組合総合病院」、「中通総合病院」の4病院が拠点病院に相応しい診療機能を備え、国の指定要件も満たしていたが、県は病院を絞りきれないという理由で何れも推薦しなかった。
先日、10月31日、2次医療圏毎の地域拠点病院として県は新たに能代市の「山本組合総合病院」、湯沢市の「雄勝中央病院」、秋田市の「秋田赤十字病院」の3病院を推薦した。年明けにも国が正式決定する事になる。今回、秋田周辺医療圏については厚労省の方針に沿ってどうしても一病院に絞らざるを得なかったために、18年度の手術件数、化学療法件数、放射線療法件数などを考慮して総合的に「秋田赤十字病院」を推薦した、と説明している。
がん診療連携拠点病院の推薦は最終的に県の専決事項である。この間、秋田市内4病院は県にがん診療の実績を資料として提出し、各院長は各病院のがん診療の特徴点などをプレゼンテーションするなどでアピールしてきた。今回の決定に私もがっくり来ているが、推薦から漏れた3病院の院長、がん診療に携わっている関係者の落胆は想像に難くない。
正直、何で「秋田赤十字病院」なんだ? 何で秋田県が絡むと何でもかんでも「秋田赤十字病院」なんだ? これが医療関係者、特に秋田周辺地区の医療関係者に共通する疑問であり、感情である。
県は今回、秋田周辺医療圏については一病院を推薦したものの、秋田県人口113万人のうち、38%、約43万人が集中し、県内におけるがんの手術件数の約5割が行われている特殊な事情を勘案して、「市立秋田総合病院」、「秋田組合総合病院」、「秋田赤十字病院」、「中通総合病院」の4病院を県指定の地域の拠点病院とし、「県単独補助金」を継続したい、としている。議会の理解が得られることを望んでいる。
秋田県の地域がん診療連携拠点病院指定問題はこの3年間紆余曲折を経た。何れも県の方針には厳しい批判があった。今回の推薦決定で、県北の二次医療圏は今回も推薦病院がなく空白地域として残るが、ともあれ、地域がん診療連携拠点病院問題は一応の区切りを迎えたことは確かである。
次は、この拠点病院がそれに相応しい活動をしているのかの検証に感心が向けられる。また、要件を満たしている病院は全て指定を受けられるよう、制度そのものを見直す要求も続ける必要がある。
11/
1(木)患者家族面談 外来
2:00起床、ドック総括、徒然。5:10病院着、6:20回診他、7:00患者家族面談。8:00救急カンファ、8:45-14:00外来+ドック結果説明。退院総括、患者関連書類記述。20:00帰宅、夕食、21:10就寝。
HP6年目を迎えて
当ホームページは、本日で開設6周年を迎えた。ほぼ連日更新しているが、良く続いたものだと思う。その理由を若干考えてみた。
■意外にも、連日何かを書いていることは負荷になるどころかむしろストレス解消に役だっている。私は中学の頃から折りにつけノートとかに生活記録とか心に浮かんだことをメモしていた。もともと性に合っているのであろう。
■同じ事を愚直に続けることも性格に合っているようだ、「継続は力なり」という言葉もあるが、あまり肩肘張らず、無理しなくても続けられている。
■
生活記録を比較的真面目につけ始めたのは昭和50年からで、切っ掛けは秋田県警の職務質問であった。アリバイ調査であったが記憶はしどろもどろで答えられず、それ以降、毎日何時頃何所で何をしていたのかを記録しておくこととした。
■
過去を懐かしむ趣味など無いが、自分が一体何をして過ごしたのか、記録がなければ無と化してしまう。足跡がないまま今の自分があるだけなら空しい。
■
週一回、月一回時間外勤務の記録を提出するが、その時重宝している。
■
会話やスピーチでは考えていることの半分程度しか表現できないからいつも不満足に終わる。だから文章化する方を好む。文章化する過程で日常何となく考えていたことがクリアになるのを実感するのは快感でもある。
■
蓄積されつつあるミニ随想は何かをまとめるときなどに資料としても役立つ。
まだまだありそうだがこの程度にしておく。
年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。 日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。 |