土崎医団会報200字随想より
(1)選挙で投票するということ
秋田組合総合病院消化器科 福田二代
私は戦後生まれで戦争体験はないのですが、よく戦争の夢を見ました。港に行く線路の土手に隠れていて、今の精油所のあたりから大砲の弾のようなものが飛んで来るのです。脂汗がにじむ気持ちで夢から覚めたものです。
平和を願わない人はいませんが、人類はまた核戦争を経験すると強く感じるようになりました.フランス、中国、イラクはもとより、オウムでさえ核兵器に魅力を感じているのですから。
私たちに何が出来るのでしょうか。
(土崎医団会報31号)
(2)女のガンバリ
秋田組合総合病院消化器科 福田二代
医師免許を取得して早や25年.医局にも入らず患者を診始めて心に思ったことは「女の先生が担当で失敗した」と言われたくない事でした。子供の病気や学校行事で仕事に穴をあけたことは殆どありません。出産のため産休を取ったことが唯一のマイナスと思っています。
家族を捨て、結婚もせず仕事に打ち込んでいる先生方にはまったく頭があがりませんが、秋田医報の「子供が生まれてから、男のように夜中に仕事ができるのか」と言う一文にうちのめされました。
(土崎医団会報42号)
(3)被害者の心理
秋田組合総合病院 福田二代
五十年以上も前のことを未だに謝罪という中国や朝鮮が、不可解でした。しかし、昨年北朝鮮が日本を核攻撃の目標にしているらしいと知ったとき、背筋が凍るような恐怖を感じました。と、同時に、日本兵に襲われた中国や朝鮮の人々の恐怖は、我々には窺い知れぬほどの凄まじいものであったと、初めて実感しました。
虫けらのように殺された人々の恨みや、心の傷は、年月を経ても消えないことを、日本人は自覚しなければなりません.
(土崎医団会報54号)