健康で長生きするには


(秋田シルバーページVol 3 掲載 協力 福田光之)
お医者さんと上手に付き合おう!  
体の調子が悪くなったり、病院で治療を受けたりするのはだれでも不安なも の。病院にかかる回数が最も多いのは、高血圧や糖尿病など慢性疾患をもつ高齢 者。健康で元気に、長生きするには、病院やお医者さんとうまく付き合うことが 大切だ。自分に合った信頼できるお医者さんを見つけて、納得のいく医療を受け よう。
大病院は安心!?〜外来医療は開業医の方が専門医〜  
なぜかはびこる大病院指向。地元の診療所よりも「診断が正確そう」「なんと なく安心」などの思い込みで大きな病院を好む傾向があるが、それは大きな間違 い。大病院は、外来医療ではできないレベルの患者を入院として受け入れ、治療 を行うところ。外来医療の分野では、開業医の方が大病院の医師よりはるかに専 門医だ。少しの不安から、わざわざ遠くの大病院まで行くことはない。

高齢者にふさわしい医療とは?  
高齢者医療に必要なのは、胃、心臓、腎臓というように部分部分で診るのでは なく、全体像でとらえること。高齢者の場合、病気は一つの臓器を診ただけで解 決するものではない。上手にお医者さんにかかるには、生涯を通して自分の体を 診てくれるかかりつけ医(ホームドクター)が必要だ。

かかりつけ医をもつメリット 〜近くに信頼できるお医者さんはいますか?〜  
健康への不安、治療の不安を安心に変えるには、友達のように心から付き合え るかかりつけ医(ホームドクター)をもつことが大切。家の近くにいて、しかも 同じような年齢のお医者さんであればなおいい。  開業医、診療所のメリット  1、顔見知りになり、気軽に受診できる。信頼が深まり、相談にのってくれ る。  2、同じ医師が、生涯を通してその患者の体に責任を持ってくれる。   3、高齢者はやがて弱ってくる。地域の診療所の医師は、在宅ケアなどをカバ ーしてくれる。

現代人は心配性?  
患者の経済力が高まり、健康を取り上げるテレビ番組が流行するなど医学的な 知識が増えた現代。医療への要求度が高まったものの、健康に対する不安は逆に 大きくなってきている。ところが、江戸時代の文学書などを見ると、病気のこと をうじうじといつまでも考えたりしていない。「そういう時がきたら終わりだ」 というさっぱりした考え方。不安を抱え込んでばかりいないで、信頼できるかか りつけ医をもち、食事に気を配りながらイキイキと活動するのが、健康で元気 に、長生きするコツ!

病気にならないために
 できるだけ病医院のお世話にならないためにはどうしたらいいか。病気を予防 するには次の3段階がある。 1次予防 食生活に気を付けるなど、日常生活の中で病気にならないための努力 をする。(タバコ、深酒は自殺行為!肺ガンや動脈硬化の原因に。適度に体を使 うことも大切。) 2次予防 医療機関やドックをうまく利用して早期発見の努力 をする。気楽に受診できるかかりつけ医の存在も重要。発見された場合は、高度 の医療技術をもつ大病院で早めに対応。 3次予防 かかりつけ医で、病気の再発を早期に発見するための努力をする。

毎日を楽しく過ごす  〜死を意識しながら〜  
疾病予防で重要なのはストレスの発散。心理的なストレスが肉体的ストレスに なり、ホルモンのアンバランスで結果的に病気になる。  疲れているからといって、寝ころんでばかりいてはダメ。抑制された中で仕事 のストレスをかかえた体には、楽しいレクリエーションが必要。創造性が発揮さ れた時こそ、人間はイキイキとしてくる。  そして何よりも、生きがいをもって、充実した人生を送ること。死を意識して 計画し、毎日を
楽しく生きることが大切だ

現代の異常性  
200万年の歴史をもつ人間。生物として人間をとらえると、現代の日本は不自 然、というより異常な世界。  これまでの歴史は”飢え”との闘い。人間は飢えに強い体を作ってきたが、こ の栄養過多の時代で体はパニック状態。たとえば、体の中には血糖を上げる物質 が10数個あるが、血糖を下げる物質はインシュリン1つだけ。飽食によって血糖 は上がりっぱなしだ。  それに加えて過度なモータリゼーション、そして環境破壊。摂取カロリーが増 えたうえに、運動不足で消費カロリーが減り、体も社会も滅亡の道をたどってい る。  異常なのは、この異常な生活を自ら創りながら、その異常性に気づいていない こと。食生活を見直し、体を使い、そして環境を考えてエネルギーは極力使わな い生活が求められてくる。