人間ドックの検査項目と意義について
検査項目
(クリックすると検査内容を表示します)
■身体計測 ■血 圧 ■血液一般 ■肝機能 ■血清アミラーゼ値 ■尿一般
■腎機能 ■尿 酸 ■ 代謝系 ■脂 質 ■電解質 ■炎症性反応 ■眼底検査
■心電図 ■胸部X線 ■上部消化管透視・内視鏡検査 ■超音波検査 ■脳画像診断
人間ドックの意義
- 「人間ドック」病気の予防や早期発見のための「総合健康診断」です.
- 「現在は「1泊2日ドック」や「日帰りドック」が主流です。
- 「脳ドック」、「心臓ドック」、「肺ガンドック」などの専門ドックもあります.
- 「がん」「脳卒中」「心臓病」「糖尿病」などの生活関連病は初めは自覚症状がほとんどありません。だから「症状がなくても、健康とは言えない」場合もあります。
- 人間ドック」は症状のない病気も早期に発見することができます.
- 「健康である」と思っている人こそ、定期的に「人間ドック」を受けましょう。
- 身長と体重から肥満度を計算します。
- 運動不足、栄養過多になりやすい現在、肥満度は最も簡単に知ることの出来る健康度のバロメーターです。
- 肥満は高血圧、糖尿病、高脂血症などの原因になり、さらに脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患を生じやすくします。
- 肥満度の数値は重要ではありません.軽くとも他の検査で合併症があれば対策が必要です.
- 一般論として、太っている人はやせる努力を、太っていない人は太らない努力が必要です。
- 体重コントロールには食事療法だけでは不十分です.必ず運動を取り入れ、筋肉のやせを防ぎましょう。
- 高血圧(140/90以下が正常)は原因が不明が大部分(90%)ですが、肥満や運動不足、過度の飲酒、食塩の取り過ぎなどで悪化します。
- 血圧は高くとも通常自覚症状は生じません。
- 高い状態を長期間放っておきますと動脈硬化を促進して腎臓病・脳卒中・心臓病の原因になります。
- 血圧は変動しやすいので家庭用の血圧計等を利用して頻回の測定をお勧めします。いつも高いようなら記録を持参し医師に相談下さい。治療の自己判断はいけません.
- 塩分の取りすぎ、肥満などの改善、禁煙が、高血圧の悪化を防ぐ最前の方法の一つです.
- 血液は個体である血球成分と液体である血漿(血清)成分に分けられます。
- 血球成分のうちで赤血球数、血色素、ヘマトクリットの3つの結果を総合的に判断して貧血や多血症を診断します。貧血は治療も大事ですが、原因を明らかにする必要があります.
- 白血球は細菌感染等に関連して増減します。
- 血小板は止血の際に中心的役割を担います。極端に減少すると皮下出血、歯肉出血等を生じます。
- 肝臓は複雑な機能を持つ、最も大きな臓器の一つです。脂肪沈着、肝炎ウイルス、薬物、アルコール等の影響をもろに受けます.
- 肝臓は「沈黙の臓器」とも言われています。肝硬変とかで80%ほどまで障害が進んでも、あるいは、例え大きなガンがあっても、症状を全く出さないこともあるからです。
- GPT、GOTとかの酵素は肝臓に障害が生じると、細胞から血中に漏れ出してきます。
- rGTPはアルコール常用者で摂取量に応じて高くなると言う特徴があります。
- 血液の液体成分のうち、蛋白の多くは肝臓で造られるために肝機能の項目に記載されています.血漿(血清)中にはI00種類以上の蛋白が存在します。
- アルブミンは血清蛋白の60-70%を占め、全身状態の良否の判定に用いられます。
- グロブリンは主として免疫能の維持に関与し、急性炎症や慢性炎症で増減します。
- 急性又は慢性膵臓炎の時に上昇する酵素です。他の可能性としては先天性、又は後天性の酵素
- 異常の可能性、唾液腺の病気由来のこともあります。
- 体内の余分な水分や老廃物は尿として体外に捨てられます。
- 健康な状態にあれば、尿に糖や蛋白、血液がでることはありません。
- 尿検査は腎臓病、糖尿病等の発見に有用です。
- 潜血反応陽性、沈渣の赤血球数増加があり、尿蛋白も多い場合、腎炎等の異常を疑います。尿蛋白が少ない場合、尿路のどこかに出血源があると考えます.
- 腎臓は血液を濾過し尿を作るところです。
- 腎機能の指標として血液中の尿素窒素、クレアチニン及び尿酸が用いられます。これらは腎臓の機能が低下してくると尿中に排泄できなくなり血中に増えてきます.これらと尿検査結果などを合わせて尿路系疾患の有無を判定します。
- 成人では慢性腎炎が最も多く、特に20-40歳代の働き盛りの男性に多く見られ、一般的には進行性に悪化します.
- 食事が原因で体内で尿酸が過剰に作られたり、腎臓からうまく排泄されないと血中の尿酸が高値になり、痛風や尿路結石、腎機能障害の原因になります。
- 特に30-40代の男性で、高血圧症や肥満気味の方は要注意です.
- 血糖とは血液中のブドウ糖の測定値です。
- 血液中のブドウ糖は膵臓から分泌されるインシュリンというホルモンで調節されています。
- ブドウ糖は活動のエネルギー源として重要ですが、増えすぎる場合には糖尿病と言われる状態になります。
- 糖尿病はインシュリンが不足してなる場合、インシュリンがうまく作用できない場合になります。後者の原因の代表が肥満です。
- 糖負荷試験では75gのブドウ糖を飲んでいただき、2時間後までの血糖を測定し隠れた糖尿病を見つけます。
- HbA1検査は過去2-3ヶ月間の血糖値のレベルを総体的に観察するための検査です。
糖尿病と判定されたら医療機関で再評価の上で生活指導を受けましょう.放置しておくと血管合併症が進み、腎不全、中枢や末梢の神経障害、視力障害が生じます.
治療のポイントは食事、運動などの自己管理です.アルコールも要注意.
- コレステロールは身体に必要な脂肪分で、80%は体内で作られますが、多過ぎると動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。
- HDLコレステロールは血管壁にある余分なコレステロールを肝臓に運び分解を助けますのでいわゆる「善玉コレステロール」と言われます。
菜食、運動はコレステロールを下げる効果があります。
タバコ、過剰な飲酒は中性脂肪を増加させます。
- コレステロール、中性脂肪が高かった方は原因となる生活習慣を改善し、3-4カ月に一度検査を受け、医師の評価と指導を受けましょう.
- 血液中には生命を維持するために重要な役割を果たす様々な電解質が含まれます。
- その中でも特に大切なのがNa、K、Ca、P等で、ホルモンの異常などの原因で変化します.
特に、脱水状態にあるとき、利尿剤等の服用によってバランスが崩れやすくなります。
- RA反応は慢性関節リューマチの患者さんに陽性になることが多いのですが、健康な方にも時に(10%前後)見られます。症状がなければ特に心配要りません。
- CRPは体内に細菌感染等による炎症などがあれば増加してきますが、どの部位にどの様な炎症があるか迄は特定できません.
- 眼底の状況を写真に撮影して判断します。
- 眼底の血管は身体の中で唯一直接観察できる血管で、高血圧や動脈硬化の進行度を示します。
眼球の病気、脳腫瘍、糖尿病の発見などの手がかりにもなります。
- 眼底検査では高血圧性所見(HO-H4)、動脈硬化性所見(SO-S4)に分けられ、いずれも数値が増すほどに変化が強いことを示しています。
- 心臓が収縮する際に生じる微細な電気信号を記録して分析します。
不整脈の診断に欠くことが出来ませんし、冠動脈疾恵の判断などにも有用です.
- 最も注意を要するのは狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患です.胸が締め付けられるような症状があれば、早めに医師の診断を受けましょう.
- 胸部X線写真は肺炎、結核や肺ガンの診断に有用であるばかりではなく、「全身の病気を映す鏡」とも言われるほど大切な情報源です。
具体的には気管・気管支・肺等の呼吸器系臓器の状態、心臓・大血管等の循環器系臓器、肋骨・鎖骨・胸椎など胸郭を形成している骨や軟部組織の状態や、腹部の状態も参考に判定します。
- 上部消化管透視と内視鏡検査は一長一短がありますが、ガンや潰瘍性病変、慢性胃炎などの判断において後者の方が遥かに優れていますので、出来ることなら内視鏡検査を受けて下さい.
- 胃十二指腸潰瘍の大半の原因はストレスです.特に生真面目で張り切り屋、責任感の強い人、気が弱くクヨクヨする人等が罹りやすいと言われています。
- 超音波検査では200-500万ヘルツの高い周波数の超音波を身体にあてて、内部からはねかえってくる超音波を再構築すると体の中の臓器の状態、血流の状態などを画像として見ることが出来ます。
超音波検査は心臓や血流などの動きのある臓器の検査にも適しています。
- CT・MRI検査は動かない臓器の検査に適しています.
- MRI検査は巨大な磁石を用いた画像診断検査で、日本語では磁気共鳴画像と呼ばれています。
人間の身体に強力な磁気を当てますと人間を構成している成分の内、特定の成分のみが共鳴して信号を発生します。この信号を集めてコンピューターで人体の画像に組み直して診断します.
- MRI検査は特に脳の検査に適していますので脳ドックに利用されています.脳の血管病変としての動脈瘤、動脈狭窄・閉塞の有無、脳の病変として萎縮やラクナと呼ばれる微少梗塞などを調べます.
中通総合病院 人間ドック総合判定医
福田光之
連絡先 010-0012
秋田市南通みその町3-15 中通総合病院
電話018-833-1122
Fax
018-831-9418
連絡先:健康管理科
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