「ふれあい看護体験」に参加した高校生に(2005.7.吉日) |
ご紹介戴きました福田です。
県看護協会が行います「ふれあい看護体験」に参加して下さいまして有り難うございます。
本日ここにいらっしゃらる皆さん方は何かのきっかけで看護や介護に興味をお持ちになり、将来この方面進もうかと思われているのだと思います。
その動機はいろいろあると思います。例えば、小さい頃優しい看護師さんのお世話になったことがあるとか、家族の内のどなたかの病気の姿を見て・・・とか、いろいろあるかもしれません。
その動機が何であれ、将来自分が社会の一員として、生活を確保し、かつ、社会に貢献していく道として、医療や看護、介護、福祉の分野に参加して見ようか、と思ってこの様な会に参加してみただけでも私はとても良いことだと思います。
言うまでもなく、私たち人間は動物の一員であり、その人生においては避けることができない四つの苦しみ、「生老病死」があると仏教は教えています。人間は生きている限り、老いは避けられませんし、どこかで「死」と折り合いをつけなければなりません。
医療や看護や介護の世界は、対象が人間であること、しかも、その方々が身体や、心に病を持ったり、不安な気持ちを持ったりしている方々ですから、決して生易しい仕事ではありません。
私は医師になって30数年になります。毎日毎日がとてもハードで大変です、しかし、とてもやりがいのある仕事だと思い続けています。
看護師の道に進もうとしたときに、果たして自分が適正があるのかと悩む様なことがあったら、次のことを思ってみてください。
第一に人間が好きであること、
第二によその方々と言葉を交わすことが好きであること、
第三に自分の弱さや不甲斐なさに何度も挫折しかかったことがある、と言うことです。これだけ揃えば大丈夫です。
更に加えて言えば、良い笑顔があること、挨拶がきちんと出来れば万全でしょう。
当院の看護婦さんは本当に真剣に看護に取り組み、一生懸命働いています。その姿もしっかり見ていただきたいし、病棟では患者さんの姿も見ていただきたいと思います。今日の体験を通じて、「人間とは・・・」ということを考えるきっかけにしていただければ幸いですし、更に将来、出来ることであれば、看護の道に進んでいただきたいと思います。
今日の一日がみなさん方にとって貴重な経験になりますよう願いながら挨拶といたします。